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「量子科学技術研究機構」発足に向け、放医研と原子力機構がディスカッション

2016年2月1日

NIRS 放射線医学総合研究所と日本原子力研究開発機構(量子ビーム・核融合部門)の統合により2016年4月に新たに発足する「量子科学技術研究機構」への期待について、放医研の明石真言理事、原子力機構の田島保英理事他によるディスカッションが1月26日、東京国際フォーラム(東京・千代田区)で行われた。放医研の研究報告会の場で行われたもので、明石氏は、同日披露された重粒子線がん治療や分子イメージングなどの成果を受けて「臨床研究のできる施設を持っている強み」を、田島氏は、各拠点が培ってきた多様な分野に応用できる研究開発成果を活かした「産業技術のイノベーション創出」への気概をそれぞれ強調した。
 新法人は、放医研と原子力機構からそれぞれ400~500名が集結し約900名で発足する見込みだが、放医研の放射線防護研究センター副センター長の島田義也氏は、日立グループのCMソング「日立の樹」を場内に流し、多様な人材が集まり協力し合い、新しい研究成果を創出していくシナジー効果に期待をかけた。さらに、原子力機構の量子ビーム応用研究センター長の伊藤久義氏も、高崎研究所で行われている量子ビームを活用した革新的材料創製技術の成果を紹介した上で、「力を合わせて未来に役立つ製品を作っていきたい」と意欲を示した。
 また、広報戦略に関して、原子力機構の関西光科学研究所長の内海渉氏は、最近のレーザーによるトンネル検査技術開発の成果が広くメディアで取り上げられたことに触れ、「『守り』から『攻め』へ」、「『見える』から『見せる』へ」などと、新しい研究分野の開拓とともに、積極姿勢に転換していく考えを述べた。
 一方で、原子力機構の核融合研究開発部門副部門長の森雅博氏は、核融合エネルギー開発に伴う技術波及効果が拡大することに期待しながらも、統合に伴うマネジメントの難しさを課題に掲げ、今後2法人が情報交換を十分に行っていく必要を指摘した。