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米国:SMRの開発・運転事業者が商業化促進でコンソーシアム設立覚書に調印

2016年2月1日

 米原子力エネルギー協会(NEI)によると、米国内で小型モジュール炉(SMR)を開発中の主要電力・メーカーが1月27日に、革新的なSMR設計の商業化を促進するコンソーシアム「SMRスタート」を設立する了解覚書に調印した。SMRの所有者や運転事業者になり得る企業が一致団結する組織を産業界に構築し、規制上、政策上の様々な課題に取り組むとともに、経費の分担構造を創出するのがねらい。NEIの認識では、大型炉の建設に適さない市場や国々にも、大型炉と同じ信頼性の高い低炭素電力が提供できるSMRは最良のオプション。同技術を国内外で活用していくため、潜在的な可能性を提唱している主要企業を「SMRスタート」に統合できたことは、原子力産業界にとって画期的なことだと強調している。

 米国では現在、原子力で総発電量の約5分の1を賄っているほか、低炭素電源による発電量に至っては63%が原子力によるもの。米エネルギー省(DOE)のエネルギー情報局(EIA)は2040年までに電力需要が18%上昇すると予測しており、古い原子力発電所が閉鎖していくことも考慮した場合、米国市場では多様な電源構成を維持するため、今世紀半ばまでに100基以上の原子炉が新たに必要になるとした。

 こうした事情を背景に、「SMRスタート」には初期メンバーとして、原子力発電やSMR開発に関わっているBWXテクノロジーズ社、デューク・エナジー社、エナジー・ノースウェスト社、ホルテック社、ニュースケール社、PSEGニュークリア社、サザン社、SCANA社、テネシー峡谷開発公社(TVA)が参加した。これら企業を代表して、「SMRスタート」は米原子力規制委員会(NRC)や議会、SMR問題に関する行政機関らとの協議を実施。軽水炉をベースとしたSMR設計に焦点を合わせ、市場化を約束した公的および民間部門の顧客に対する実証を進めることになる。同コンソーシアムの設立に尽力したNEIも、SMR技術関係の政策や優先項目などについては緊密に連携していく考えだ。

 DOEはすでに2012年3月、米国人が開発したSMRで国内原子力産業を活性化し、米国を先進的な原子力技術・製造のリーダーとすることを目指して、官民折半のSMR商業化計画に4億5,000万ドルを拠出すると発表。バブコック&ウィルコックス(B&W)社の「mPower」設計とニュースケール社のSMR設計を対象に、2020年代初頭にも商業化の設計エンジニアリング完了と設計認証(DC)取得を目標としたプログラムを開始した。ニュースケール社は今年第4四半期にSMRのDC申請書を提出予定のほか、B&W社とホルテック社、およびウェスチングハウス社もそれぞれのSMR設計でDC審査を申請する計画である。