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仏原子力参事官が経年化対策「グラン・カレナージュ」などについて講演

2016年2月15日

WNEseminarDSCF5563 原産協会は2月9日、「海外の原子力産業ビジネス/世界原子力展示会(WNE)に関するセミナー」を開催した。
 着任から最初の仕事が今回のプレゼンテーションとなった駐日仏大使館のS.フェリックス原子力参事官は、「フランスでは原子力界の再編成が起こり、日本では再稼働が徐々に進みつつあり、両国で様々な原子力に関する出来事が起こっている時にここにいられることは光栄」と挨拶した。将来のエネルギートレンドとして(1)スマートシティ化の進む工業国と人口増が見込まれる開発途上国のどちらも電気の需要は必ず増え、電力市場は成長する(2)新しい技術により個人や企業、地方自治体などが自分たちで電気の消費活動を行い、必要に応じて発電も行うようになり、電気は地域的かつグローバルなものとなる(3)緊急に対策が必要となる気候変動など環境への配慮から再生エネルギーとともに原子力の需要はゆっくりとではあるが増え続ける――ことを挙げた。
 また現在エネルギーミックスの77%を原子力発電に頼るフランスでは、ほとんどの原子力発電所が1970年代前半に起きたオイルショックを契機としてわずか15年ほどの間に建設されており、現在フラマンビル3号機のみが唯一建設中の原子炉となっている。フランス電力(EDF)は、既存炉を維持し40年を超える炉については追加対策を施すため550億ユーロ(約7兆1500億円)を投資する「グラン・カレナージュ」と呼ばれる経年化対策を打ち出した。これによって短期間のほぼ同じ時期に全ての炉が寿命を迎えて停止してしまう「クリフ・エフェクト」を避けるとしている。
さらに、フランスの原子力界では、EDFが赤字経営となったアレバ社の一部を買い取る再編成が進行している。そして環境問題課題を解決できるようなエネルギー源を使う「エネルギー移行法案」が2015年に議会で承認され、2030年までに再生エネルギーの割合を32%まで増やし(その結果原子力の割合が50%程度に下がるが、原子力設備容量は現在と変わらず、撤退するわけではないことを強調)、温室効果ガス排出を1990年比で40%削減、省エネでエネルギー消費を半減させることを目指すが、3年間で10万人の雇用創出にもつながることを見込んでいる。
 A.ダルディ・アレバジャパン副社長は、フランスおよび世界の原子力産業について、フランス原子力産業輸出協会(AIFEN)理事として、中国を初めとして各国で原子力発電所の建設が進む現状について説明した。
また、板井慶子リードISGジャパン・セールス・マネージャーは6月28日から30日にパリで開催される世界原子力展示会(WNE)への出展要項について説明した。