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米TVA:未完成のベルフォンテ原子力発電所サイトの売却を検討

2016年2月19日

 米国のテネシー峡谷開発公社(TVA)は2月17日、建設工事の中断した1、2号機が立地するアラバマ州・ベルフォンテ原子力発電所サイトの売却案について、3月18日まで一般からの意見を募集すると発表した。原子力発電所として利用するほかに、同サイトの敷地1,600エーカー(約647ヘクタール)および、いくつかのインフラ設備は工業や商業、あるいは住宅開発などの異なる用途にも活用可能と指摘。集まったコメントその他の関連情報を審査した後、TVA理事会が売却を決めた場合は、公開オークションにかける考えを明らかにした。TVAは同サイトで3、4号機を増設するための建設・運転一括認可(COL)も申請済みだったが、これについては2月12日に申請の取り下げを米原子力規制委員会(NRC)に通達したとの報道があることから、近々完成予定のワッツバー原子力発電所2号機以降、同社が新たな原子炉を建設しない可能性が示唆されている。

 TVAによると、ベルフォンテ・サイトには現在、一部が完成したバブコック&ウィルコックス社製PWR(120万kW級)2基と関連施設、高低2系統の開閉所、事務棟、倉庫、訓練センター、駐車場、鉄道の支線、ヘリの離着陸場が存在。1、2号機の建設工事は1974年に始まったが、電力需要の低迷などから1988年にTVAが作業を停止し、サイトは長期保存状態に置いた。2011年8月になると、「クリーンなエネルギー社会の実現には原子力が最良オプション」との認識から1号機の建設再開を決定。2020年までに49億ドルを投入して同炉を完成させるとしたが、2008年から同様に建設工事を再開したワッツバー2号機の完成を優先するため、2012年3月にはベルフォンテ1号機の作業員430名をレイオフすると発表していた。

 TVAはまた、2002年に米エネルギー省が「2010年までに新規原子力発電所の建設を目指すプログラム」を発表したのを受け、2005年にベルフォンテ・サイトを候補地とする新設プロジェクトを公表した。同発電所3、4号機として、ウェスチングハウス社製AP1000(2基)の建設を想定したCOLを2007年にNRCに申請したものの、審査関連の活動は2010年12月で停止。NRCによるCOL審査はそれ以降、停止中となっていた。

今回のサイト売却案についてTVAのB.ジョンソン総裁兼CEOは、2015年の統合資源計画で「新たな大規模ベースロード電源が必要となるまでに20年かかる可能性」が示された点に言及。このままTVAが同サイトを維持し続けるか、あるいは他者に托して一層国民の利益につながる用途に活用するか、決めるべき時が来たと説明した。このため、今回の意見募集では、関係者や一般市民のみならず、同サイトにおける投資と新たな雇用創出に関心を持つ開発業者からも話を聞くことが重要だとしている。