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米エネ省:SMR建設でアイダホ国立研の使用をユタ州の電力公社に許可

2016年2月22日

 米エネルギー省(DOE)は2月18日、アイダホ国立研究所(INL)敷地内におけるニュースケール社製小型モジュール炉(SMR)の建設を支援することで、ユタ州の市町村電力公社(UAMPS)と合意に達したと発表した。UAMPSは今後、INL敷地内でSMR初号機の建設に適した区域を特定する計画で、それがINLの作業ミッションを妨げることはないとDOEが確認すれば、米原子力規制委員会(NRC)が広範な安全審査と環境影響評価を行った上で選定区域におけるSMRの設計・建設・運転、および廃止措置を許可することになる。この関連で、ニュースケール社は今年中にもNRCにSMRの設計認証(DC)の申請書提出を予定している一方、そのパートナー企業であるUAMPSと原子力発電事業者のエナジー・ノースウェスト(EN)社は、2017年~2018年にSMR初号機の建設・運転一括認可(COL)申請を計画。順調に進めば、米国初のSMRプロジェクトとして2023年に商業運転が開始できる見通しだ。

 DOEは、米国が低炭素な社会となる上で原子力が果たす役割の強化を約束しており、コンパクトで拡大縮小可能なSMR設計は、送電設備の容量が小さく大型炉の立地に適さない場所では低炭素なベースロード電源になり得ると認識している。SMR開発を通じて国内原子力産業を活性化するとともに、世界のクリーン・エネルギー技術革新で米国がリーダー的存在になるというオバマ政権の計画を実現するため、官民折半のSMR商業化計画に4億5,000万ドルを拠出。バブコック&ウィルコックス社のSMR設計「mPower」とニュースケール社のSMR設計を対象に、2020年代初頭にも商業化の設計エンジニアリングとDC取得が可能になるよう支援活動を行っている。ニュースケール社のSMRは固有の安全性を備えた電気出力5万kWの一体型PWRで、12基連結すれば最大60万kWまで出力の拡大が可能といわれている。

 ユタ州を本拠地とするUAMPSは、西部8州の地方自治体と協同組合45機関の共同活動組織。近年は、独自の「低炭素電力プロジェクト(CFPP)」を展開中で、安全でシンプルかつコスト効果の高いSMRを建設するため、特性調査や分析が行える潜在的な適地を模索していた。今回、DOEがINLサイトの使用を許したことで、UAMPSは敷地内における環境影響や安全性といった立地条件の分析を開始予定。現地の報道によると、UAMPSは初号機の運転開始まで10年間、運開後は99年間、INLサイトをDOEから借り受けられるという。SMRが成功裏に建設できれば、大気汚染と温室効果ガス排出量の軽減が可能な原子力発電で、一層幅広いオプションが米国の電気事業者に提供されるとDOEは指摘している。