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仏規制当局:ラアーグ再処理工場の蒸発缶腐食について監視実施へ

2016年2月26日

©ASN

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 フランスのアレバ社が北西部で操業するラアーグ再処理工場について、原子力安全規制当局(ASN)は2月24日、溶解液の濃縮に使われる蒸発缶(=右図)の腐食が設計上の想定よりも進んでいたとし、同工場の継続運転において法的な監視を行う方針を表明した。腐食の今後の進展を最小限に抑えるとともに、継続運転のために規定された条件に準拠しているか点検するのが目的で、過度の劣化が認められた場合は運転を停止させるとしている。

 再処理の工程では、剪断した被覆管中の燃料を硝酸で溶解した後、ウランとプルトニウムを抽出するために溶解液の入った蒸発缶を濃縮している。ラアーグ工場の蒸発缶は1989年と1994年に設置されたもので、経年化により腐食しても30年間は加熱回路からの圧力や地震に耐えうる設計となっている。アレバ社は2012年に同工場のUP3-Aユニットで10年毎の大規模安全審査を行った際、ASNの要請により蒸発缶で初めて厚み計測を行った。また、2014年と2015年には追加計測を実施。これらの最新結果は2015年12月にASNに提出されたが、設計による想定より早い速度で腐食が進展したことを示していたという。

 ASNの委員5名は2月11日に、この件についてアレバ社のP.バラン会長とP.クノルCEOに照会した結果、「ラアーグ工場の中期的な安全性に疑問を投げかけるかもしれない」として監視実施の判断を下したもの。実際のところ、加熱回路による圧力や地震に対する蒸発缶の耐久性は今後数年間で不足する可能性があるとした。また、経年化が一番進んでいるものについては2018年以降にも予想されると指摘した。アレバ社側では蒸発缶の監視を強化し、漏れや破裂が発生した際の影響を抑えられるよう設備の隔離や新型探知システムといった追加手段を講じることになる。