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スペイン:福島第一事故後の5年間に国内原子炉で安全対策の8割が完了

2016年3月9日

 スペイン原子力産業会議(FOROニュークリア)は3月3日、福島第一原子力発電所で事故が発生した後の5年間に、国内の稼働中原子炉7基で安全性を改善するとともに設計外事象に対する耐久性を保証するための対策と活動が8割方、完了したと発表した。原子炉の新設が禁止されている同国では、総発電電力量の約20%を賄う既存炉を出来るだけ長く運転していく必要があり、これらの安全性改善策はそのために取られたもの。FOROニュークリアは、設計ベースで想定された事象への準備が原子力発電所で確実に整ったほか、設計外の深刻な事象およびその影響に対しても十分に対処可能な追加の安全裕度が確保されたとした。また、福島第一事故の教訓を取り入れた改善策や様々な分析調査結果を設備の最新化プログラムに組み合わせたことで、原子力発電所の長期間の運転継続に向けた展望が開けるとしている。

 FOROニュークリアによると、発電所で取られた対策は、福島第一事故後にEU域内で実施されたストレステストの結果を反映している。同テストではスペイン発電所における設計の頑健さと高い安全性が確認されたが、さらなる安全性の向上を勧告するEUの行動計画が2012年6月に欧州原子力規制者グループ(ENSREG)から公表されており、スペイン原子力安全委員会(CSN)もそれと調和する国家行動計画を同年中に承認していた。

 スペインで取られた主な活動と対策はこの国家行動計画に準じる内容で、大きく分けて2種類。すなわち、
(1)洪水や地震などの自然災害に対する防護対策などで、これらは100%近く完了、
(2)事故の発生防止と影響を緩和するシステムの強化、電源喪失時に使用可能な可搬式機器と冷却システムの追加--で、緊急時に発電所の外部から支援を提供する共有センター(CAE)を設置したのに加えて、各発電所サイトに緊急時管理支援センター(CAGE)を建設中。すでに完成したものがあるほか、それ以外についても作業が最終段階に入ったと指摘している。