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FNCAスタディ・パネル ステークホルダー参加について議論

2016年3月10日

FNCAStudyPanelMembersIMG_6696 アジア原子力協力フォーラム(FNCA)スタディ・パネルが3月10日、都内で開催された。今回は「原子力への信頼性とステークホルダーの参加、一般社会とのコミュニケーション」をテーマとして意見を交換した。今回、オーストラリア、バングラデシュ、中国、インドネシア、カザフスタン、マレーシア、モンゴル、フィリピン、タイ、ベトナムが参加し、日本からは会合議長を務めた阿部信泰原子力委員のほか、和田智明FNCA日本コーディネーターらが出席した。同パネルは、原子力発電の役割や原子力発電の導入に伴う課題等について討議する場として2004年に設置され、以降これまでに3つのテーマで計11回開催されている。
 初日の挨拶で阿部議長は、高浜原子力発電所3、4号機の差し止め報道について、立地県である福井県ではなく近隣県での住民の意見を受理して裁判所が判断した例として挙げ、今回のステークホルダーについての議論も語り尽くしていきたいとした。
 基調講演として、X.バスケス‐メニャン経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)法務部長が原子力計画とステークホルダーの関係について、T.ティガーシュテット国際原子力機関(IAEA)原子力開発局訓練専門官はステークホルダーインボルブメントについての基本的な考え方について説明した。その後の質疑応答で、「原子力発電を導入する際に国民投票を行うのは適切か、またどのくらいの割合の支持があれば国民のコンセンサスが得られたと判断してよいのか」との問いに対し、ティガーシュテット氏は一つの答えがあるわけではないとし、「国民の意見はただ賛成反対ということだけでなく、『賛成、ただし環境対応など規制がしっかり行われること』のように条件つきとなってくる。数値でラインを引くのではなく、国民からの回答の背景を読み取り、その意見を最適なかたちで反映して意思決定していくことが重要」と述べた。また、バスケス‐メニャン氏は、欧州では近隣諸国から自国の原子力発電計画などについて訴えられる例も出てきており、多国間で環境評価を行って意見を取り込むことが慣習になってきていることについて触れた。