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消費者庁が風評意識調査結果、放射能に関する理解に低下傾向

2016年3月11日

 消費者庁は3月10日、農林水産物産地の岩手、宮城、福島、茨城の4県と、大消費地域の埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫の7都府県にそれぞれ居住する消費者を対象として、2月に実施した食品中の放射性物質に関する意識調査結果を発表した。被災県産品の買い控えなど、風評被害の実態を調査し、今後の消費者への理解活動に資するため、2013年から実施しているもので、今回7回目で約5,100人から回答を得た。
 それによると、放射線に関する知識で「知っている」との回答がほとんどの選択肢で減少する一方、「知っているものは特にない」との回答が増加し、基礎知識と人体影響のいずれの設問群ともに30%台後半に達し、これまでの調査で最高となった。
 また、食品の産地を「気にする」または「どちらかといえば気にする」との回答は、前回調査から微減の64.3%とこれまでで最も低くなり、その理由として最も多かったのは「産地によって品質(味)が異なるから」で全体に対し31.6%、「放射性物質の含まれていない食品を買いたいから」は同19.2%でこれまでで最も低かった。さらに、食品中の放射性物質を気にする人のうち、福島県産品の購入をためらう人は前回調査から微減の同15.7%、特に産地に注意している食品としては野菜、米、果物の順に高かった。
 食品中の放射性物質の基準値や出荷制限に関しては、「基準値以内であってもできるだけ放射性物質の含有量が低いものを食べたい」との回答が前回調査からほぼ横ばいの41.1%、一方で、「基準値はもっと厳しくするべきだ」との回答は前回から微減の21.8%だった。また、「検査が行われていることを知らない」との回答が前回調査から微増の36.7%となり、これまでで最も高かった。
 今回の調査結果について、消費者庁では、福島第一原子力発電所事故から約5年が経過し、食品と放射能に関する知識や理解の度合いが低下していることが示されており、リスクコミュニケーション活動や各種冊子の発行などにより、正確な情報発信に取り組んでいくとしている。