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政府「原子力災害対策充実に向けた考え方」を決定、自治体要望受けSPEEDI活用も

2016年3月14日

 政府の原子力関係閣僚会議は3月11日、実効的な避難計画策定、事故収束と被災者支援の充実化に向けた「原子力災害対策充実に向けた考え方」を決定した。
 全国知事会による提言を受け、政府の対応方針を示したもので、原子力防災対策に関しては、(1)国と自治体の役割の明確化、(2)大気中の放射性物質の拡散計算(SPEEDI)の自治体による活用、(3)安定ヨウ素剤の事前配布――を柱としており、今後、原子力規制委員会による専門的・技術的検討を経て、防災基本計画や原子力災害対策マニュアルの改定など、必要な対応がなされることとなる。
 その中で、地域防災計画・避難計画の具体化・充実化のため、SPEEDIの計算結果も、地域の実情に応じて活用できるとした。SPEEDIについては、計算結果気が象予測の不確実性により実際と異なった場合、放射線被ばくの影響がかえって増大する危険性もあることから、規制委員会では2014年に、「使用しない」という見解を示しているが、全国知事会や原子力施設を立地する市町村の首長からは、実効性ある防護対策が図られるよう活用を求める声があがっていた。また、安定ヨウ素剤について、UPZ(原子力施設から概ね30km圏内)においても、緊急時の配布に困難が想定される地域では、自治体の判断で事前配布ができるとし、地域の実情に応じた効率的な配布方法を、国と自治体とが一体となって協議・検討するとしている。
 事故収束・被災者支援については、原子力事業者に対し、平時から、「緊急時対応チーム」の組成や、相互協力体制となる「原子力緊急事態支援組織」の充実により、必要な装備・資機材を整備し訓練を実施することや、住民避難に関する支援などを行う「被災者支援活動チーム」の組成、「原子力災害対策プラン」の策定を求めている。