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英国政府:SMR開発で最適設計を特定するコンペの第1段階に着手

2016年3月22日

 英エネルギー気候変動省(DECC)は3月17日、小型モジュール炉(SMR)の開発と商業化および資金調達に対する市場の関心を正確に把握するため、SMRコンペの第1段階に着手すると発表した。DECCは2015年、革新的原子力技術開発において英国が世界のリーダー的立場を確保できるような意欲的な研究開発プログラムに2億5,000万ポンド(約403億円)を投資すると表明しており、英国にとって最適な価値のあるSMR設計を特定するコンペもこの中に含まれていた。5月6日までにSMR技術の開発業者や電気事業者、潜在的な投資家などから関心表明(EOI)を募り、5月23日までに選定基準を満たしている者を確定。その後、今秋まで政府との協議期間を設ける方針だ。DECCはまた、この作業と並行して、SMRの開発ロードマップを作成する考えを明らかにしている。

 英政府が初めてSMRの潜在的な恩恵について関心を提示したのは、2013年の原子力産業戦略の中でのこと。開発期間とコストが縮減できるSMRは、英国産業界にとって価値の高い事業機会をもたらす可能性がある分野であるほか、政府が進めている大型原子力発電所の建設計画を潜在的に補完する役割があるとした。しかし、その開発は比較的初期の段階にあるため、その可能性を立証できるような商業的な運転例がなく、政府は2014年初頭、英国におけるSMR開発の技術的、経済的、商業的な側面に関する調査を実施。同年12月に国立原子力研究所が調査結果を公表した。それによると、いくつかのSMR設計は10年という時間枠の中で開発可能であり、英国のベンダーと産業界が共同で取り組む機会になるとした。ただし、そうした特定のSMRについて一層詳細な技術分析を行う必要性を指摘しており、政府は2015年5月からSMRの開発根拠を固めるため詳細な技術経済評価を開始していた。

 今回のコンペについてDECCは、SMRの確実な商業開発方法や開発期間に関する参加者の見解が提示され、コンペが後続の段階に進展していくことを熱望すると強調。第1段階の政府との協議に進む資格の有無は、同じ日に公表したチェック・リストの一連の基準項目で判断するとした。また、並行して作成する開発ロードマップでは、これまでに特定された開発根拠をまとめるとともに政策的な枠組を立案する方針。ここでは、英国のエネルギー目標達成に役立つとともに経済的な恩恵ももたらす1件以上の有望なSMR設計について、潜在的な可能性を評価すると説明した。さらに、包括的設計認証(GDA)など規制承認手続の範囲内で適切な条項を策定する際、政府が原子力規制局(ONR)と共同実施する作業を特定したり、適切な建設サイトやサイトのタイプを特定するプロセスの詳細も盛り込む計画。同ロードマップは、コンペの第1段階が終了した後、第2段階のプランと同時に公表するとしている。