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中国:欧州への「華龍一号」輸出促進でチェコとの原子力協力強化

2016年4月1日

©CGN

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 中国広核集団有限公司(CGN)は3月31日、原子力と再生可能エネルギーを含む包括的なエネルギー協力で、チェコのエンジニアリング関係企業14社で構成されるチェコ・エネルギー産業連合(CPIA)と了解覚書を締結したと発表した。中国の習近平国家主席がチェコのプラハでM.ゼマン大統領と会見したのを機に、両国家元首立ち合いの下で調印したもの(=写真)。中国が知的所有権を有する第3世代の原子炉設計「華龍一号」を欧州その他の第三国市場に本格的に売り込んでいくため、欧州電気事業者要件(EUR)をクリアできるようチェコ側から助力を得るほか、第三国における原子炉建設プロジェクトでは合弁事業設立の機会を模索するとしている。

 両者の覚書では、長期的な連携関係の構築を視野に今後の具体的な協力範囲を特定。原子力分野では発電所の資材調達と建設、運転、メンテナンス、補修に加え、原子燃料サイクルの刷新に関する情報と経験の共有、発電所従業員の訓練、EURで設計認証を得るための協力--などとなっている。CPIAは、チェコのB.ソボトカ首相の後押しを受けて2015年9月に設立された組織で、諸外国の原子力建設プロジェクトで受注機会の拡大を図ることや、原子力建設で国際的な大企業と連携することが主な目的。国内的な背景事情としては、チェコ政府が昨年5月から6月にかけて、原子力発電シェアを6割近くまで上昇させることを盛りこんだ「国家エネルギー戦略」と、既存の2つの原子力発電サイトに少なくとも1基ずつ増設することを目指した「原子力発電に関する国家アクション計画」を承認したという事実がある。

 CPIAのリーダーを務めるスコダ・プラハ社は今回、CGN傘下の中広核工程有限公司と「華龍一号」のEUR設計認証に関するコンサルタント契約を締結した。CGNは2015年5月に同設計の認証審査をEURに申請しており、EUR側も同年9月にこれを正式に受理。今回の契約により、スコダ社はCGNが作成する関連文書の審査を行うことになる。このほかCGNは、スコダ・プラハ社、CPIAに、上海を本拠地とする複合企業体の華信能源有限公司を加えた「原子力産業協力のための円卓会議」を3月29日にプラハで開催。両国間の潜在的な協力の機会を模索し、協力メカニズムを設定するなど、双方が利益を得られる戦略的協力関係を築くのが目的で、参加各社はここでの議論を踏まえた上で原子力協力に関する了解覚書を締結した。協力内容としては、原子力発電所の建設、運転、投資に関する情報共有や技術認証、供給チェーンの現地化支援、発電所の最新化、第三国市場での協力を挙げている。