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【第49回原産年次大会】今井会長、原子力発電所再稼働の加速化を

2016年4月12日

IMAI 「第49回原産年次大会」が4月12日、東京国際フォーラム(東京・千代田区)で開幕した。今大会では、「Energy for Us - 未来へつなぐ原子力」をテーマに、日本の社会が目指すべき姿やエネルギー問題を考える中で、原子力の価値を再確認するとともに、原子力の価値を国民と共有するにはどうすればよいかを、世界的なエネルギー安全保障や地球温暖化問題の視点も踏まえ、国内外の原子力関係者および有識者らが議論する。
 開会に当たり、今井敬・原産協会会長(=写真上)が所信表明に立ち、まず、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故から5年余りが経過した今なお、およそ10万人もの方々が避難生活を余儀なくされていることを見舞うとともに、「今後も国を挙げて福島第一原子力発電所の廃炉を着実に進めるとともに、引き続き福島の復興に努めていかねばならない」と述べた。また、2015年12月のCOP21で日本が国際的に約束したCO2削減目標を達成するには、「原子力発電所の再稼働をより加速しなければならない」として、特に、その前提となる新規制基準適合性審査を1基も通過していないBWRが「原子力再起の一つの鍵になる」などと強調した。一方で、新規制基準をクリアした高浜3、4号機が裁判所より運転差止の仮処分を受け停止している状況にも触れ、産業界は再稼働したプラントの安全運転の実績を積むとともに、国民だけでなく司法の場においても安全性について説明できるよう備えておくべきと述べた。今井会長は、さらに、原子力発電所の40年運転の見直しや新設について早急に議論を開始すべきとしたほか、核燃料サイクルや廃棄物処分の進展、技術の蓄積、人材育成など、原子力を巡り日本の抱える課題を掲げた上で、「事故の反省を踏まえて再び原子力を使っていこうとする今、改めて日本の未来を考えながら、原子力が持っている価値を見出していくことが、国民の信頼回復につながる」として、今大会での議論に先鞭を付けた。
 続いて、来賓として挨拶に立った星野剛士経済産業大臣政務官は、「わが国が強い経済を取り戻すには、エネルギー政策が重要な要素。将来の国民の暮らし、経済、地球環境に大きな責任があるからこそ原子力発電は必要」と述べた上で、原子力事業を進める上での課題となる使用済み燃料再処理の着実な実施に向けて、「再処理等拠出金法案」の今国会での成立に意欲を示すなどした。
NAKICENOBIC 「世界のエネルギー展望と原子力の役割」と題する特別講演を行った国際応用システム分析研究所(IIASA)副所長のネボーシャ・ナキシェノビッチ氏(=写真下)は、エネルギーを巡る世界の主要課題として、「エネルギーへのアクセス」、「気候変動」、「大気汚染・健康影響」、「エネルギー安全保障」を掲げたほか、国連が2015年に発表した17の「持続可能な開発目標」の中に、「エネルギー」が新たに加わったことを歓迎した。同氏は、アジア地域における2050年までのエネルギー見通しに関する一つの「道筋」を図示し、省エネによる抑制や再生可能エネルギーの導入が顕著だが、他の地域に比べて原子力の役割が拡大することを説いた。また、世界全体の原子力発電所の設備利用率を図示し、日本で一斉点検のあった2003年や、東日本大震災により原子力発電所が停止した2011年以降の落ち込みを示すなどした。同氏は結びに、「エネルギー事業は、持続可能な将来に向けたさらなる開発と変革のために中心的役割を果たす。こうした発展目標を達成するためには、研究開発・実証と投資を促進し、安定した規制メカニズムを構築することが重要」とのメッセージを投げかけた。