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カナダ連邦控訴裁:ダーリントン発電所改修計画に対する環境保護派の訴えを棄却

2016年4月18日

 カナダのオンタリオ州営電力会社(OPG)は4月14日、ダーリントン原子力発電所(93.4万kWのカナダ型加圧重水炉4基)で予定している大規模な改修計画とその後の運転期間30年延長を巡り、グリーンピースなど複数の環境保護団体が提出していた異議申し立てをカナダ連邦控訴裁判所が満場一致で棄却したと発表した。彼らの訴えによると、同計画の環境評価(EA)を審査した関係当局は、低確率の過酷事故が発生する可能性と放射性廃棄物の長期的管理に対する配慮を不当に排除。EAで司法審査を実施するよう求めていたが、この申請を連邦裁判所が2014年11月に却下したため上告していた。控訴裁は今回、「公衆や環境への重大な悪影響はないと結論付けた2013年のEAに誤りや欠落は認められない」としたほか、EAを審査した関係当局の判断についても何ら不合理な点はないとの裁定を下した。

 OPG社は今年1月、ダーリントン発電所の大規模な改修工事を2026年まで10年間の計画で実施すると発表した。128億カナダドル(約1兆700億円)を投じるという同計画の準備作業はすでに2009年から始めており、改修により同発電所では追加で30年間、クリーンで信頼性の高いベースロード電力がその他の選択肢よりも低コストで得られると指摘。今年10月にも4基のうち最初の1基で作業にとりかかりたいとしていた。同社はまた、NPO法人の大手シンクタンクであるカナダ協議委員会が、同改修計画によるオンタリオ州への経済効果を149億ドル(約1兆2,000億円)と見積もった点に言及した。工事のピーク時には年間11,800人分の雇用が創出され、プロジェクト期間中の平均では年間8,800人分にのぼるとの試算結果を強調。州内の一般家庭で85億ドル(約7,100億円)分の利益増加が見込まれるほか、政府にとっても利益が54億ドル(約4,500億円)増加するとしている。

 OPG社はオンタリオ州における電力需要の約半分を賄っているが、そのうちほぼ100%が低炭素電力。州政府としても「供給エネルギーのクリーン化戦略」を推進しており、2014年に州内の石炭火力発電所の全廃に成功した。