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加カメコ社:ウラン市場の供給過剰によりカナダの鉱山で一時操業停止

2016年4月25日

 カナダの大手ウラン生産業者であるカメコ社は4月21日、供給過剰状態にある市場の先行きが不透明との理由から、カナダ北部サスカチュワン州のラビットレイク鉱山で操業を一時停止するほか、米国の2鉱山でも新規の抽出井戸開発を延期するなど、同社の年間総生産量を当初予定していた13,610トンから11,660トンに削減すると発表した。どちらの鉱山でも人員整理を行うものの、市況が回復して増産可能になった時に備えてラビットレイクの設備は安全な状態で維持する考え。操業を永久に停止してしまうのではなく、柔軟な措置を取ったと説明している。

 帳簿価格が約1億800万カナダドル(約94億6,000万円)のラビットレイク鉱山では、今回の決定により、1,633トンと予定していた生産量を2016年は453.6トンに削減。設備を停止・保存状態に置くためのコストは、2016年だけで3,500万ドル(約30億6,000万円)と同社は予測した。従業員および周辺自治体への影響を最小限に抑えるため、可能であれば社内の別施設への異動やワークシェアリングという選択肢も検討する。しかし、設備の維持と環境モニタリングの継続および操業再開時の活動に要する150名ほどを除き、設備停止への移行作業が完了する8月末までの4か月間で労働力の調整を行う計画である。

 米国鉱山の帳簿価格は6,200万ドル(約54億3,000万円)ほどだが、2016年の生産量は当初予定の635トンから499トンに低下させる見通し。原位置抽出法を使っているという性質上、時間を掛けて徐々に生産量を落としていくとした。鉱体を解かす水溶液の注入井戸や溶けたウランの回収井戸など、井戸群の維持用に約170名を引き続き雇用する。一方、解雇対象者に対する処遇など、労働力の調整は5月末までに行うが、市場の回復時に開発再開オプションを維持しておくための許認可上の努力は継続するとしている。

 これらの決定事項により、カメコ社では資本支出が約4,800万ドル(約42億円)抑えられると見積もっているものの、退職してもらう従業員の支度金などで約1,900万ドル(約16億6,000万円)かかる計算。同社のT.ギッツェル社長兼CEOは、現在の市場状況下ではラビットレイクと米国の鉱山で運営費や資本費を捻出することは難しいため、最も低コストな資産に資源を集中することで貸借対照表を健全に保ちたいと述べた。近隣のマッカーサーリバーとキーレイクの鉱山でも、2016年の生産目標は907.2トン減の8,165トンとする一方、シガーレイク鉱山では生産量を継続的に増加していく方針で、2016年は7,257トンを生産予定。また、製錬所の停止期間を利用して精錬能力の増強も計画。溶媒抽出回路で2017年に予定していた変更作業を前倒しで行うなど、市場で回復の兆しが見えた場合に備えるとしている。