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米TVA理事会:未完成のベルフォンテ原子力発電所サイトの売却を決定

2016年5月9日

©TVA

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 米国のテネシー峡谷開発公社(TVA)は5月5日、アラバマ州にあるベルフォンテ原子力発電所サイト(=写真)の売却を同日の理事会で票決したと発表した。同サイトでは部分的に完成した1、2号機が立地するほか、3、4号機を増設する建設・運転一括認可(COL)が申請済みとなっていたが、2月から3月にかけて聴取した顧客や峡谷住民、州政府や地元当局者らの意見を分析した結果、売却してより良い用途に使用する方が一般市民の役に立つという結論が得られたとした。また、2015年の統合資源計画で「少なくとも20年間は新たな大規模ベースロード電源は不要」との可能性が示されたことを理由として説明。TVAでは今後直ちに、同サイトを公開オークションにかける準備を開始する。

 売却対象となるのは具体的に、1980年代に工事が中断したバブコック&ウィルコックス(B&W)社製PWR2基と冷却塔などの関連施設、高低2系統の開閉所、事務棟、倉庫、訓練センター、駐車場、鉄道の支線、ヘリコプターの離着陸場などで、敷地面積は1,600エーカー(約647ヘクタール)におよぶ。未完成の2基のうち、1号機については2011年8月に建設再開が決定したものの、同様に2008年に工事が再開したテネシー州ワッツバー原子力発電所2号機の完成を優先するため、ベルフォンテ1号機関係の従業員はレイオフすると決定。また、2007年にCOLを申請した3、4号機建設計画ではウェスチングハウス(WH)社製AP1000の建設を想定していたが、TVAは2010年に審査の停止を、今年2月には申請の取り下げを米原子力規制委員会(NRC)に要請していた。

 現地の報道によると、すでに同サイトの購入について複数の関心表明があり、査定価格は3,640万ドル程という。理事の1人は、1号機の建設再開が決まった後にエネルギー市場の状況が大きく変化し、廉価な天然ガスや電力需要の伸び悩み、ワッツバー2号機の工期と経費の超過などがベルフォンテ・サイトの売却につながったと述べた模様。ただしB.ジョンソン総裁兼CEOの弁として、ワッツバー2号機の完成後に小型モジュール炉(SMR)技術がTVAとその顧客のニーズに合うと確認できれば、将来オプションとしてSMRの長期的な利用可能性を探るとの見解が伝えられている。