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IAEA:改正版核物質防護条約が発効、核セキュリティが一層強化へ

2016年5月12日

©K.Nikolic/IAEA

©K.Nikolic/IAEA

 国際原子力機関(IAEA)は5月8日、「核物質の防護に関する条約(CPPNM)」の改正版が発効したことから、世界では核物質を悪用したテロ攻撃への対策など核セキュリティが強化され、一層安全なものになると強調した。1979年に採択されたCPPNMは1987年に発効。平和利用目的の核物質を国際輸送する際に防護措置を取るよう規定していたが、2005年の外交会議では、締約国の管理下にある平和利用目的の原子力施設、および核物質等を国内で使用・貯蔵・輸送する際の防護にも法的拘束力を持たせる改正案が採択された。その後、約11年におよぶIAEAの働きかけが実を結び、4月8日に日本も含めて改正版の発効に必要な3分の2の締約国が同条約の改正に同意。30日後の5月8日付けで正式発効にこぎ着けたものだが、残り50か国が未だに同意していないことから、天野事務局長は世界規模で核テロの脅威をさらに削減していくため、これらからの支持を出来るだけ早急に取り付けたいとの抱負を述べた。

 発効に先立つ6日の記念式典で演説した天野事務局長(=写真)は、過去数年間は特に、改正版の発効に向けて精力的に締約国の説得に当たったと説明。発効の日を迎えてそうした集中的な努力がようやく報われたと述べた。改正版CPPNMにより締約国は今後、核物質と原子力施設を防護する適切な制度の確立や、核物質をともなう妨害行為とその脅威に関する情報共有という新たな要件を実行に移す。核物質の窃盗や密輸に対する現行の体制を強化・拡充するほか、原子力発電施設における妨害行為に対しても、これを防護する法令上の枠組を新たに定めて維持することになるとした。また、盗まれた核物質の捜索・回収にあたり、締約国間の協力範囲も拡大されるとしている。