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エネルギー白書、「原子力社会政策」に取り組み信頼回復を

2016年5月17日

 政府は5月17日、「平成27年度エネルギー白書」を閣議決定した。今回の白書では、「原油安時代におけるエネルギー安全保障への寄与」を冒頭で取り上げている。その中で、原油価格について、米国シェールオイル生産などによる昨今の供給過剰を主な要因に、現在は下落傾向にあるものの、中長期的には新興国の需要増を反映して、高騰することも予想されると警鐘を鳴らし、日本における省エネ・エネルギー源多様化の政策について、昨夏策定のエネルギーミックス実現とともに、再生可能エネルギーや原子力を含め、総合的対策を図ることが重要と述べている。これに関し、白書では、各種機関による原油価格の見通しを示しており、例えば、国際エネルギー機関(IEA)によると、標準的ケースで、2014年の97ドル/バレルが、2030年に113ドル/バレル、2040年に128ドル/バレルに上昇するほか、市場見通しでは2018年以降は需要が供給を上回るなどと予測している。
 原子力政策では、福島第一原子力発電所事故後の廃炉・汚染水対策、原子力損害賠償、被災地復興について、5年間で進展があったことを確認しているが、特に今回の白書では、事故により失われた原子力利用に対する社会的信頼を高めていくため、政府として取り組むべき政策群を、「原子力社会政策」と総称し、原子力安全・防災対策の充実などに関する具体的取組を紹介した。
 この他、2015年末のCOP21で採択された「パリ協定」を踏まえたエネルギー政策の変革についても取り上げている。