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基本的考え方ヒア 有馬氏 「政府や産業界が原子力の意義を積極的に発信すべき」

2016年6月7日

 DSCF6329有馬純東京大学公共政策大学院教授は6月7日、原子力委員会の「原子力利用の考え方」に関し、地球温暖化問題と原子力の役割について説明した。
 有馬教授は、原子力が地球温暖化防止で大きな役割を果たすことは明らかだが、国際的な交渉の場では、強固な反原発国の存在や環境NGOの影響力、全員一致の国連システムなどの下、原子力に前向きなシグナルを出すことは不可能であることを指摘。また、国内においても、世論、政治、政策・規制環境、事業環境などいずれも原子力にとって逆風であり、戦略のないままなし崩し的に脱原子力発電の道を辿ることになりかねないと警鐘を鳴らした。
 次期エネルギー基本計画で原子力発電所新増設について書き込めるか否かが分かれ道となるが、そのためには原子力をとりまく制度環境を整備していくべきであり、政府が日本のエネルギー安全保障や温暖化防止の観点から原子力の意義を積極的に発信するとともに、エネルギー安定供給やエネルギーコストの安定などで原子力の恩恵を受けている産業界も声をあげるべきだと強調した。
 原子力委員とのやりとりでは、阿部信泰委員からの地球温暖化を世論は深刻と感じていないのではという意見に対し、有馬教授は、世論では地球温暖化対策は重要と答えるが、原子力には反対、エネルギー価格上昇にも反対としており、それぞれを結び付けて考えていないと説明した。