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米印首脳:インドにおけるWH社製原子炉建設で準備作業開始を歓迎

2016年6月8日

©インド首相府

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 米国のB.オバマ大統領とインドのN.モディ首相は両国の6月7日付け共同声明の中で、「民生用原子力分野における両国の10年もの連携が実を結び、インド国内で6基のウェスチングハウス(WH)社製AP1000の建設に向けたサイトの準備作業が始まったことを歓迎する」と発表した(=写真)。同社とインド原子力発電公社(NPCIL)が直ちにサイト設計とエンジニアリング作業を開始し、2017年6月までに契約協定の最終決定を目指して協力していくと明言。同プロジェクトには、米国の輸出入銀行(US EXIM)が資金調達でインドに協力するとしている。

 両国政府は、インドにおける電力不足緩和と米国からの原子力輸出という双方の目的を果たすため、2008年に米印原子力協力協定を締結。2009年にはインド内閣が、西海岸グジャラート州のミティビルディをWH社製の100万kW級PWR×6基用に、東海岸のアンドラ・プラデシュ州コバダをGE日立社製の100万kW級BWR×6基用に暫定指定した。インドでは、メーカーにも一定の賠償責任を盛りこんだ原子力賠償法を適用していたことから、その後の進展状況は遅々としていたが、今年2月にインドが「原子力損害賠償の補完的補償に関する条約(CSC)」を批准したのを受けて、計画実現に向けて一挙に動き出したもの。WH社製AP1000の建設サイトについては、現地の反対運動を受けてアンドラ・プラデシュ州に変更されたとの報道もある。

 今回の共同声明は、両国の戦略的連携強化を目的とする首脳会談が米国で開催され、インドのモディ首相がホワイトハウスを公式訪問したのを機に発表された。声明の中で両国は、原賠法問題も含めた両国政府による過去2年間の取り組みの中でも、インドによるCSC批准は原子力発電所建設計画に関わる両国企業間に長期的なパートナーシップを築く盤石な基盤になったと評価。発電所が完成すれば、米印原子力協力協定における目標が果たされるとともに、インドで化石燃料への依存を減らしつつエネルギー需要を満たすという共通の誓約が実証されることになると強調している。