フォントサイズ:

加BP社:オンタリオ州の気候変動行動計画に対する継続的貢献に意欲

2016年6月10日

 カナダ・オンタリオ州でブルース原子力発電所を運転するブルース・パワー(BP)社は6月8日、州政府が同じ日の朝、キャップ・アンド・トレード・プログラムを導入した新しい「気候変動行動計画」を公表したのに対し、クリーンで信頼性のある電力供給が適正価格で可能なブルース発電所を通じて、州政府を継続的に支援していくとの見解を表明した。「供給エネルギーのクリーン化戦略」を進めてきた同州では、カナダで稼働する商業炉19基のうち18基までが立地。原子力と再生可能エネルギーの活用を通じて、すでに2014年に州内の石炭火力発電所の全廃に成功している。BP社はこれまで、ブルース発電所のカナダ型加圧重水炉(CANDU)8基で同州における電力需要の約30%を賄ってきたという実績があり、短期的のみならず、中・長期的にも州政府がCO2排出量削減目標を達成する上で重要要素であり続けると明言した。

 オンタリオ州政府の「気候変動行動計画」は、低炭素経済への移行を今後も同州が牽引していくことを目的としており、そのために既存のクリーン技術の活用を加速するツールや報奨を州民と企業に提供するという内容。代表的手段として最近決定したのが、排出主体同士で排出枠の移転が可能になるキャップ・アンド・トレードの採用で、これにより2020年までに温室効果ガスの排出量を1990年レベルから15%削減した後、2030年までに37%、2050年までには80%削減するとの目標を設定した。キャップ・アンド・トレード・プログラムで得られた利益は、家庭や企業におけるCO2排出抑制を支援するグリーン・プロジェクトに、透明性と責任のあるやり方で投資還元する方針。州政府は同計画の実施報告書を毎年作成するほか、5年毎に計画自体の改訂を行う考えだ。

 州政府は同計画の中で原子力など特定のクリーン技術に言及していないが、BP社は州政府が脱石炭政策を進める際、必要になった追加発電量の70%は同社が供給したと指摘。それらは2003年以降、ブルース発電所で長期間停止していた原子炉4基の再稼働や様々な投資により実現したと説明した。その上で、同社にとっては現在進めている複数年の投資プログラムを通じて、今の容量レベルを長期にわたって維持していくことが重要との認識を表明している。BP社は2005年に州政府と締結した契約に基づき、ブルース発電所1、2号機の改修工事を実施しており、どちらも2012年に再稼働を果たした。3、4号機は2003年から2004年にかけて一足先に運転再開していたが、これらの改修工事については2015年12月、3~8号機まで合計130億カナダドル(約1兆1,000億円)をかけた複数年の投資プログラムで実施すると発表。2020年から具体的な改修作業に入る予定で、既存の原子力発電設備を最大限、有効活用していくとしている。