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バッテンフォール社:フォルスマルク原子力発電所の安全性改善で投資決定

2016年6月17日

©バッテンフォール社

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 スウェーデンのバッテンフォール社は6月15日、同社所有のフォルスマルク原子力発電所(=写真)に独立の炉心冷却機能を設置するための投資を行うと発表した。その5日前に、社会民主党の連立政権が2017年から原子力容量税を段階的に廃止する方針を発表したのを受けて、取締役会が決定したもの。次のステップとして、同社が66%出資するフォルスマルク発電グループの取締役会が承認すれば投資が実行に移される。過酷事故に伴う全電源喪失時に、格納容器外部の貯水槽から24時間以上、個別の供給電力による駆動機構で冷却水を追加するという機能が設置された場合、フォルスマルク発電所の3基(各100万kW級BWR)は2020年以降も運転継続が可能になる。同社はまた、リングハルス原子力発電所3、4号機(各110万kW級PWR)における同様の投資についても、2017年初頭に判断するとしている。

 スウェーデンでは既存原子炉10基のリプレース用に限り、建設を許可する法律が2011年に発効している。しかし、1984年に導入された原子力発電税は2000年に容量税に変更され、近年は人件費の約2倍まで徐々に上昇、長期化する電力価格の低迷と相まって、原子力発電所の採算性を圧迫していた。また、スウェーデン放射線安全庁(SSM)が2014年12月、福島第一事故後の安全性改善行動計画の一環として、2020年末までに独立の炉心冷却機能の導入を国内の原子炉すべてに要求する方針を発表。厳しい安全要件を満たすための投資も懸念材料となり、バッテンフォール社はリングハルス1、2号機、OKG社はオスカーシャム1、2号機を早期閉鎖する方針を昨年秋に公表していた。

 今回の発表でバッテンフォール社は、独立の炉心冷却機能を3基に設置終えるまでに数年を要するものの、発電に影響が及ばないよう配慮すると強調。競争市場の厳しい条件に対応していくために、安全性の改善工事と並行してコストや効率性の改善プログラムも実施するとした。これらの改善により、フォルスマルク原子力発電所は2040年代に入っても発電できるとの見通しを示している。