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規制委が新規制基準に関する解説資料作成へ、司法の場でも活用

2016年6月30日

 原子力規制委員会は6月29日の定例会合で、原子力発電所の新規制基準の考え方に関する解説資料作成について発表した。福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ策定された新規制基準は、2013年7月に施行後、事業者から適合性審査の申請を受けて審査が進められており、現在、7基が原子炉設置変更許可取得に至っている。
 このほど報告された新規制基準に関する解説資料は、規制委員会の専門技術的裁量と安全性に対する考え方に始まり、策定経緯、IAEA安全基準との関係、深層防護の考え方、大規模な自然災害などの共通要因に起因する設備故障対策、重大事故等対処施設、電源確保、使用済み燃料貯蔵施設についての要求事項を中心に、Q&A形式で説明しており、引き続き、地震関連の事項などを追加していく予定だ。本資料は、規制委員会のホームページで公開し、今後、国を当事者とする訴訟などにおいても必要に応じ活用していくとしている。
 その中で、新規制基準の策定経緯に関しては、福島第一原子力発電所事故の検証や教訓について記述した上で、規制委員会発足以前からの検討から得られた専門技術的知見も集約し、中立性の担保された有識者が関与する公開議論や意見公募を経て策定されたものとして、「現在の科学技術水準を踏まえて合理的なもの」と結論付けている。
 原子力規制庁の法務担当官によると、国が当事者となる行政訴訟は原子力発電所を対象とするもので現在13件あるが、同日会合終了後の記者会見で、田中俊一委員長は、「安全の確保についてどういう手立てをしているかを説明していく必要がある」などと、今回の解説資料を活用していく考えを示している。また、田中委員長は、最近の北米出張を振り返り、日本における裁判所による原子力発電所再稼働禁止の仮処分決定については、「米国もカナダも非常に関心を持っている」とも述べた。