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チェコ電力:ドコバニ発電所増設計画で環境影響評価の準備

2016年7月25日

 チェコの国営電力会社であるCEZ社は7月20日、既存のドコバニ原子力発電所(51万kWのロシア型PWR×4基)にリプレース用原子炉2基を増設する計画について、包括的な環境影響評価(EIA)の実施準備を開始したと発表した。EIA手続の開始に必要な文書を同日、担当官庁の環境省に提出したもので、今後数年をかけて増設にともなう周辺環境や住民への影響を評価する計画。同国では2014年、CEZ社が既存のテメリン原子力発電所(108万kWのロシア型PWR×2基)で進めていた増設計画に対し、政府が発電電力の買い取り保証を与えないと表明したため、2009年から実施中だった入札手続が中止された。しかし、チェコ政府は2015年5月の「国家エネルギー戦略」の中で、2040年までに原子力発電シェアを6割近くまで上昇させる必要があると指摘。翌月に閣議決定したフォローアップ計画「原子力発電に関する国家アクション計画(NAP)」では、2つの既存原子力発電所で1~2基ずつ増設する準備を始めなければならないとしていた。

 EIAの準備開始は、チェコが長期的なエネルギーの自給を目指して策定したNAPを実行する最初のステップになるとCEZは説明。欧州のエネルギー部門が大規模な変化と不確実な時期を経験するなか、同社としては将来的に開発の可能性がある全オプションについて万全な準備を行うとした。国家エネルギー戦略によると、原子力は将来、チェコの電力自給を可能にするとともに、信頼性の高い電力供給を最終消費者に保証する主力電源になる。再生可能エネルギーと化石燃料発電所で電源ミックスを補完する必要はあるものの、ドコバニ発電所では既存炉4基が技術的に良好な状態にあることから、CEZ社は少なくとも2035年まではこれらで安全かつ信頼性のある運転継続が可能と予測。それ以降は徐々に閉鎖していくことから、今回のプロジェクトで建設する2基は主として、リプレース用に位置づけられるとしている。

 また、これら2基の建設準備をタイムリーに進めることで、重要な原子力発電所を途切れさせずに運転できると同社は指摘。同プロジェクトにより、新たな雇用の創出と維持、地元地域全体の社会生活向上に大きく貢献することも可能だとした。また、経済・環境的な観点からも、原子力はチェコにとって最上のエネルギー源の1つであるとの認識を表明した。