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放射性廃棄物専門部会 対話のあり方に一層の工夫求める

2016年7月27日

 0726DSCF6587原子力委員会の第3回放射性廃棄物専門部会が7月26日、都内で開催された。「地層処分問題研究グループ」「北海道平和運動フォーラム」「Comfortさばえ」の3つのNGO、文部科学省、日本原子力研究開発機構(JAEA)、電気事業連合会(電事連)などの関係行政機関等からヒアリングを行った。
 1998年より活動を続けている地層処分問題研究グループの志津里公子氏は、以前よりも意見交換の場が増えてきたことを評価する一方で、地層処分の全国シンポジウムは一方的な理解を求める大規模な説明会という印象であるとしたほか、非公開の自治体向け説明会や専門家限定で行われる意見募集などは、人々からの信頼を損なうと指摘した。
 労働運動と市民運動をつないで脱原発を目指してきた北海道平和運動フォーラムの長田秀樹氏は、青森県六ヶ所村の再処理工場で完工延期が度重なっていることや、幌延深地層研究センターでの研究終了時期がはっきりしないことなどを問題視し、国民の理解が得られぬままに事業が進められてしまうことに懸念を示した。
 高レベル放射性廃棄物ワークショップのファシリテーターなどを務めてきたComfortさばえの鈴木早苗副理事長は、対話活動ではきちんと目を見て話し、誠実さが伝わることが大事であることを強調し、理解を深めるためにはエネルギー教育の一環としての社会学的側面と、根拠に基づいた検証などの技術的側面の両輪を回していくことが必須だとした。
 文部科学省研究開発局の村山綾介企画官は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する同省やJAEAの取り組みを紹介。主務大臣が独立行政法人評価制度委員会の意見を聞いて評価し、総合科学技術・イノベーション会議が作成した指針案を反映して総務大臣が目標や評価に関する指針を策定するなど、PDCAサイクルを機能させていることを説明した。
 JAEAバックエンド研究開発部門の清水和彦地層処分研究開発推進部長と亀井玄人核燃料サイクル工学研究所基盤技術研究開発部長は、地質環境の長期安定性に関する研究や、深地層の研究施設計画、地層処分システムの工学・安全評価技術開発などについて説明。研究成果の発信や施設の公開などを通じ、国民理解の醸成に貢献しているとした。
 電事連最終処分推進本部の廣江譲本部長/電事連副会長と田村亨部長は、2014年7月に電力9社と日本原子力発電の社長で構成する「最終処分推進連絡協議会」を設置し、科学的有望地提示後の問い合わせ窓口を各都道府県に設けることを検討するなど、電気事業者での取り組みを強化していることを紹介した。
森田朗部会長をはじめとする委員らは、8月26日にJAEA幌延深地層研究センターを視察する。次回8月29日の同部会で意見の取りまとめを行い、最終開催となる9月末の部会で全体的な評価をまとめ、地層処分の科学的有望地提示に向けた環境を整えていく。