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KEK「多国籍参画ラボ事業」開始

2016年8月1日

 高エネルギー加速器研究機構(KEK)は8月1日、最先端の研究装置を国際的に有効利用して研究を行うための新たな枠組みとして、「多国籍参画ラボ事業」を実施すると発表した。
 近年の加速器科学研究は大型化および複雑化する研究設備に対応するため、プロジェクトの多国籍化が急速に進んでいるが、現状のKEKにおける国際協力は、一部の大型素粒子物理実験を除き主に二機関間の協力が中心となっている。また、KEKが有する加速器および関連施設は、最先端でユニークなものが多く、多くの外国機関からも同じ対象の研究に関心が寄せられている。こうしたことから、KEKと複数の外国機関による多国籍な国際連携を推進する取り組みとして、今回の「多国籍参画ラボ事業」発足に至った。
 KEKでは、「多国籍参画ラボ事業」のもとで行う「多国籍参画プロジェクト」の初回募集を8月24日まで行っている。KEK職員がマネージャーとしてプロジェクトを申請し、プロジェクトに参加を希望する研究者をさらに募るというもの。参加する各研究機関はKEKとの間で協定を取り交わし、プロジェクトに参加する研究者は研究支援などを受けることができる。ラボ事業の運営に際しては、KEK機構長のもと運営委員会が置かれる他、実施プロジェクト全体をコーディネーターが取りまとめる。KEKが有する施設の維持経費はKEKの負担とし、プロジェクトに関わる経費は参加機関で応分の分担とする。
 同プロジェクトには、複数の国・地域の研究チームが参加することが期待されており、今後、KEKの研究施設を利用した二機関協力では収まらない国際共同研究の推進、研究施設そのものを高度化するための開発研究の推進、KEKを国際的に一層発展させる計画の立案――の役割を果たすことが期待されている。