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フランス電力:アレバ社の買収協議で輸出案件の対策強化企業設立へ

2016年8月1日

 昨年7月以降、アレバ社とグループ内の原子炉事業部門アレバNP社の買収協議を進めているフランス電力(EDF)は7月28日、現時点の状況を正式決定するための了解覚書をアレバ社と締結したと発表した。同覚書には、新しいアレバNP社との共同出資により、国内外の原子力発電所新設プロジェクトで原子炉系統を設計・建設する専門会社を立ち上げると明記。同覚書に基づいて、11月末までに法的拘束力のある契約を最終的に締結する方針だが、EDFが専門とする原子力発電所の運転管理とアレバ社の機器製造を統合した新会社で、世界中の原子炉新設市場におけるフランス原子力産業界の競争力を強化し、プレゼンスを高めていく考えだ。

 同覚書は法的拘束力を持つものではなく、3つの部分に分かれている。まず、原子炉・機器と燃料の設計製造および関連サービスに関するアレバNP社の既存の全活動と資産を「ニュー・アレバNP(ニューANP)社」として再出発させる一方、作業の遅延により追加経費が生じているフィンランドのオルキルオト原子力発電所3号機建設計画に関連する資産と負債、およびスタッフは除外するとした。アレバNP社の最終査定額は、EDF取締役会による今年1月の提案どおり、25億ユーロ(約2,860億円)とすることを両者は再確認しており、ニューANP社の株式と議決権の少なくとも51%といった排他的支配権はEDFの所有となるが、アレバ社も戦略的パートナーとしてニューANP社の15~25%を所有。その他の潜在的な参加パートナーに対しては、34%まで所有を許すことになる。こうした取り決めによりEDFは、既存炉の安全レベル維持と運転期間延長を目的とした大規模投資計画「グラン・カレナージュ」における最も重要な活動を確実に進めるとともに、エンジニアリング・サービスやプロジェクト管理などの効率改善でEDFの経験をフィードバックしていく。

 また、同覚書では、EDFとニューANP社がそれぞれ80%と20%保有する専門会社を設立し、フランス国内および海外の新設プロジェクトで原子炉系統の設計と建設を行うとした。EDFがニューANP社の支配権を取得するか否かに関係なく、2017年第1四半期の設立を目指しており、新会社を通じて、日本や中国の大企業と連携を保ちつつ、新規顧客のニーズに合った一層競争力のあるフランス提案を原子炉系統の輸出案件で実施。開発プロジェクトに対する準備・管理も改善する方針で、この新会社により、他の複数の国で試されているような「発電事業者/サプライヤー」モデルを部分的に構築するとしている。

 3つ目の部分としては、EDFとアレバ社が戦略上、産業上の包括的合意協定を結ぶという方針を改めて表明。ここでは特に、研究開発や新しい原子炉の国際的な販売、使用済燃料の貯蔵、および廃止措置といった分野における協力の効率改善を目指すことになる。