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IAEA:放射線安全分野の協力促進でロシアと2つの実施取り決め協定

2016年8月1日

©IAEA

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 国際原子力機関(IAEA)は7月25日、ロシア国内において放射線安全基準を強化するとともに国際的な安全基準を実行に移していくため、同国の2つの規制機関との協力枠組を明記した「実施取り決め協定(PA)」に調印したと発表した。これらのPAでは具体的に、ロシアの国民と環境を電離放射線から継続的に防護していく上で重要な協力項目を特定している。調印に先立ちIAEAのJ.C.レンティッホ原子力安全・セキュリティ担当次長は、ロシア連邦経済発展省・消費者保護監督局(ROSPOTREBNADZOR)、および連邦医療生物学庁(FMBA)と、放射性同位体の医学利用にともなう被ばくや、環境放射能(ラドン)による一般大衆の被ばく、食品と飲料水における放射性核種濃度の統制範囲などについて、現在の協力状況や将来見通しを重点的に協議。その上で、7月18日にモスクワでそれぞれの代表者とPAへの署名を行ったと説明した(=写真)。

 今回のPAの位置付けは、IAEAが2015年にロシアの原子力総合企業ロスアトム社と締結した職業被ばく分野における協力を補完するというもの。ロシア側ではこれらのPAを通じて、ロシアが蓄積してきた知見や良慣行についてIAEA加盟国と情報交換することや、ロシアが関与した国際安全基準の開発、および共同科学プロジェクトの実施が促進されることを期待している。今後IAEAとロシアは、医療用画像診断によるロシア仕様の被ばくガイドラインの開発と改定、東ウラルなどの汚染地域住民の中で様々な種類のガンが発生するリスクの評価など、8件の共同プロジェクトの実施を予定している。