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規制委が検査制度見直しで中間取りまとめ、事業者責任を明確化

2016年8月26日

 原子力規制委員会の検討チームは8月25日、検査制度の見直しに関する中間取りまとめ案を了承した。1月に来日したIAEAの総合規制評価サービス(IRRS)ミッションの指摘を受け、検討を進めてきたもので、これまで規制側が直接基準適合性を確認してきた使用前検査等について、事業者に実施を義務付けるなど、事業者責任を明確にした検査体系に改めるとともに、事業者による保安活動全般の実施状況を監視し、客観的な情報を踏まえた総合的評価を行い、継続的改善を促していく。中間取りまとめは今後、パブリックコメントに付し10月中に成案とし、これを踏まえ、年内を目途に関連法案作成、次期通常国会に提出となる運び。検討チームでは引き続き、法律成立後の制度試運用に向け、規則・ガイド類など、詳細について具体化を図っていく。
 中間取りまとめでは、現行制度に対する認識を、(1)事業者の一義的責任の不徹底、(2)複雑・細分化された検査体系、(3)ハード面の検査の偏重、(4)柔軟性の低い検査の仕組み、(5)有効かつ効率的な検査手法導入の必要性、(6)検査の結果と行政上の措置――と整理しており、これらに関し、事業者の活動を監視する仕組み、リスク情報を活用した検査手法などについては、米国の原子炉監督プロセス(ROP)が制度改善の参考となるとしている。先のIRRSミッションによる評価報告書で、検査官の素質・能力の向上が指摘されたのを受け、規制委員会では、7月から1年間原子力規制庁職員5名を米国原子力規制委員会(NRC)に派遣している。
 今後の新検査制度導入に向けて、電気事業連合会は、7月の月例会長会見で、規制側と被規制側のコミュニケーション充実も必要になるなどと述べている。