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経団連が「パリ協定」で提言、長期目標は「丹念な検討を」

2016年10月19日

 日本経済団体連合会は10月18日、2015年12月のCOP21で採択された温室効果ガス削減の新たな国際枠組み「パリ協定」を踏まえ、今後の地球温暖化対策に関する提言を発表した。
 その中で、国内対策の基本的考え方として、温室効果ガスの約9割はエネルギー起源CO2が占めていることから、「温暖化対策とエネルギー政策の連携は極めて重要」とした上で、産業界としての主体的取組「低炭素社会実行計画」を着実に推進し、中期目標「2030年度に13年度比26%減」の実現に貢献していくと述べている。「パリ協定」では各国に長期目標の設定が求められているが、日本としては、安全性の確保を大前提に、既存の原子力発電所を最大限活用するとともに、新増設も視野に入れて、将来のエネルギー構造やコストも踏まえ、「実現可能性を考慮しながら丹念な検討を行う必要がある」と指摘している。
 さらに、5月に閣議決定された「地球温暖化対策計画」に掲げられた長期目標「2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指す」に関して、エネルギー政策の見直しを含めて十分に議論し、経済や雇用、産業競争力に与える影響についても検証すべきとし、「従来の取組の延長線上」では実現困難とも強調している。
 政府側では現在、経済産業省と環境省とでそれぞれ温暖化対策の長期ビジョンについて検討する有識者会合が始動しているほか、イノベーションを鍵として、温暖化問題解決と経済成長の両立を目指し産学官が議論する国際会議ICEF(アイセフ)が2014年より開かれている。
 「パリ協定」については、折しも10月19日に承認に関する国会審議が始まったところだ。政府側では、11日の同案件の閣議決定に際し、「11月4日に『パリ協定』が発効する運びとなったことを歓迎する」とした上で、早急な締結を目指し国会承認を得るべく尽力するとしている。