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WH社と韓国KHNP社、互恵的技術協力の促進で覚書

2016年10月25日

©KHNP社

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 東芝傘下のウェスチングハウス(WH)社は10月24日、韓国水力・原子力会社(KHNP)との間で技術協力委員会を創設するなど、双方が有するエンジニアリング能力の共有や協議の促進を目的とした了解覚書をソウルで締結したと発表した(=写真)。定期的に会合を開催して技術情報を交換するほか、米国その他の国におけるビジネス・チャンスも共同で探っていく計画だ。韓国側にはこれまで、WH社に吸収・統合されたコンバッション・エンジニアリング(CE)社の技術をベースに原子炉の国産化を進めてきたという経緯がある。このためKHNP社は、「CE社製の原子炉が今も米国内で12基稼働中だが、覚書を通じて当社が米国で原子力技術事業を展開することが可能になれば、オリジナル技術を提供してくれた米国に我々の技術を逆輸出できる」との期待を表明。KHNP社製の140万kW級PWRである「APR1400」の輸出機会を得て、販売促進を図るものと見られている。また、KHNP社とWH社が協力すれば、国際市場で技術革新と市場拡大を図る互恵的な原子力ビジネス・モデルが構築されるとコメント。これまでの限定的協働方式から積極的な技術協力に転換し、原子力発電所の安全性強化や技術的課題の解決、技術の高度化と海外市場の拡大を通じて収益の創出を図りたいとしている。

 韓国は1970年代にターンキー契約で原子力発電所を導入した後、1990年代初頭の新設計画にCE社をサブ契約企業として加え、原子炉本体やタービン等の機器について技術移転を受けた。それ以降、PWRの国産化と標準化を開始しており、CE社が開発した「システム80」設計をスケールダウンした「韓国標準型原子炉(KSN)」、CE社製130万kW級「システム80+」設計をベースとする「APR1400」を開発した。こうした背景から、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原子力発電所として「APR1400」を4基建設する契約を受注した韓国電力公社(KEPCO)の企業連合には、CE社の技術について知的財産権を保有するWH社が参加している。

 一方、米国では原子力規制委員会(NRC)が1997年にCE社の「システム80+」に設計認証(DC)を発給しており、米国での建設が許される標準設計の1つとなった。KHNP社の親会社であるKEPCOは2009年、米国内への将来的な「APR1400」の輸出に備えて、その開発の経緯や「システム80+」との設計の違い等をNRCに説明した模様。同社とKHNP社は2014年に「APR1400」のDC審査をNRCに申請しており、現在、審査作業が継続中となっている。