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米国:ザイオン原子力発電所の廃止措置がほぼ完了

2016年10月31日

 米国の廃止措置・除染専門企業エナジーソリューションズ社は10月25日、シカゴ北部のザイオン原子力発電所で子会社のザイオンソリューションズ社が2010年から開始した廃止措置作業が、世界でも業界最短記録である6年間でほぼ完了したと発表した。2020年まで10年計画で行ってきた同発電所2基分の安定化作業および廃止措置活動(D&D)は予算内で収まっており、完了日程が数年間前倒しされた分、作業全体のコストも押し下げられると強調。タービン・ホールの取り壊しが概ね終わったことから、今後は建屋の解体に注力するとしている。

 発表によると、1990年代後半に廃止された同発電所(108.5万kWのPWR×2基)の廃止措置プロジェクトでは、以下の項目で新たな業界記録を達成。すなわち、(1)最も近代的かつ最大の使用済燃料乾式中間貯蔵設備(ISFSI)を設計・建設した、(2)使用済燃料を発電所からISFSIまで世界最短の366日で輸送した、(3)初めて2基分の原子炉容器を同時に分離・撤去・輸送・処分した、(4)最大級かつ最も効率的な大型機器撤去・処分プロジェクトとしてD&Dを完了した、である。これに加えて同プロジェクトでは、作業員全体の被ばく線量がこれまでの業界最良実績の3分の1以下となる見通し。現時点で作業は88%終了したところだが、プロジェクトが完全に終わった時点の最終的な線量は435人レムになるとしており、これは原子力規制委員会(NRC)がPWR用に定めた基準見積値の2基分、1,100人レムを大幅に下回っているほか、プロジェクト開始時の目標値である900人レムの半分以下だと指摘した。ザイオンソリューションズ社のK.ロバック社長も、このような成果は「安全性の確保に万全を期してくれた作業員達のお陰だ」と評価した。放射線環境下の作業を堅実に管理しつつ作業員を被ばくから防護し、発電所内の放射性物質の98%以上を安全に撤去出来たとコメント。これにより、プロジェクトの実施リスクを体系的に削減することができるとしている。

 米国ではこれまでに原子炉11基で廃止措置が完了し、サイトは制約なしで再利用可能な状態に戻されている。廃止措置の選択肢としては、(1)運転停止後、直ちに機器や設備の放射能を除去する「DECON」、(2)設備の汚染構造物を一定期間、安全に管理し、将来的な解体と除染を行う「SAFSTOR」、(3)放射化した構造物やシステム、機器を遮へい管理する「ENTOMB」、がある。現在はザイオンの2基を含む4基でDECON作業中のほか、14基が15年~41年間のSAFSTOR状態に入っている。