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原子力委員会 根拠に基づく情報体系・優れた検索システム構築に向け協議会設置

2016年11月8日

dscf7116 原子力委員会は11月8日、根拠に基づく情報の体系の構築について、原子力関連機関とともに議論を行った。まず、情報には、わかりやすい解説や教材などの「一般向け情報」、根拠を一般的に解説したものや政策情報などの「境界情報」、国際機関等によりまとめられた報告書や研修資料などの「専門家向け情報」、研究成果および研究報告などの「根拠」の4つの階層があるが、特に我が国では「境界情報」が欠けており、一般の理解を深めてもらうために「基盤となる根拠に基づく情報体系・優れた検索システム」の構築が必要であるとの共通認識を確認した。そして、米国原子力エネルギー協会(NEI)の根拠に基づく情報提供や量子科学技術研究開発機構の科学的情報発信のためのナレッジベース構築の取り組みなどの良好事例を参考に、同システム構築に向けて関連機関が継続して議論を行っていく場として連絡協議会を設置することが提案された。
 原子力発電環境整備機構(NUMO)の梅木博之理事は、地層処分について政策的な質問を受けることもあり、各機関が相互に利用できる環境作りには積極的に参加したいとの意向を述べ、「境界情報」は国際機関で発表されたことを翻訳するだけでなく解釈しないとならないため、品質の維持も大切になってくると強調した。
 日本エネルギー経済研究所の村上朋子戦略研究ユニット原子力グループマネージャーは、各電力の有価証券報告書を根拠とした論文を「境界情報」として提供しているが、実際に一般が利用しているのはそのデータを我田引水したセンセーショナルな情報という現状を説明し、正しい情報を得たい人がアクセスできる検索性が重要になってくるとした。
 日本原子力産業協会の杉山一弥事務局長は、事業者側が原子力発電は安全だと言うばかりでは伝わらず、受け手が自らのものさしをもって理解していかないと前に進まないのでこのような取り組みは重要であるとの意見を述べ、有効な情報伝達のためにもホームページを検索しやすくする工夫等が必要だとした。また、これらの活動に持続性を持たせるためには基盤づくりについても大きな考慮事項であると語った。
 日本原子力文化財団の伊藤隆彦理事長は、原子力事故のリスクは小さくなったがゼロではない一方で、原子力発電をやめることにもリスクがあるということを、国民1人1人が科学的根拠に基づいてしっかり判断していける状況を作り出すことが大事だと語った。
 このほか、高度情報科学技術研究機構(RIST)、電気事業連合会、日本原子力学会、日本原子力研究開発機構、日本電機工業会などが、それぞれ意見を述べた。
 原子力委員会は、次回11月15日の会合で本件について意見交換を行った後、見解を発表する。