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中国とロシア、原子力平和利用分野の協力拡大で合意

2016年11月9日

©中国中央人民政府

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 中国の李克強首相とロシアのD.メドベージェフ首相は11月8日、両国間の様々な協力分野の中でも原子力の平和利用分野における戦略的な協力を一層拡大していくことで合意した(=写真)。両首相が共同議長を務める中ロ定例会合が7日にロシアのサンクトペテルブルクで開催された際、この方針を盛りこんだ声明文が採択されたもの。中国ではすでにロシアの協力で建設された原子力発電所やウラン濃縮工場などが稼働中だが、今回の声明文は、中国においてロシアの国営原子力総合企業ロスアトム社による大規模原子力プロジェクトの実施促進を目的とする一方、双方が利益を得るための調整原則に基づき両国の原子力部門における協力をさらに進展させるとしている。

 ロシアが中国で初めて建設協力した原子力発電所は、江蘇省の田湾原子力発電所1、2号機(各100万kW級のロシア型PWR)で、両炉とも2007年に営業運転を開始した。現在はⅡ期工事にあたる3、4号機(各100万kW級のロシア型PWR)の建設工事を、それぞれ2012年と2013年から実施中。これらは2018年以降に完成する見通しとなっている。ただし、これらに続くⅢ期工事の5、6号機は、中国核工業集団公司(CNNC)がフランスの技術をベースに開発した第3世代のPWR設計「ACP1000」が採用されており、5号機は2015年12月に本格着工。6号機も2017年に着工すると見られている。

 ロスアトム社の発表によると、両首相は田湾発電所Ⅳ期工事にあたる7、8号機の建設計画に触れ、中ロが共同で進めるとの方針を支持。同プロジェクトの政府間議定書の調印準備を早急に完了し、複数の関連契約締結を促進したいと述べた。また、中国の新たなサイトでロシア製原子炉を建設する計画があるとしたほか、海上浮揚式原子力発電所および第4世代の有望な高速中性子炉などの開発でも協力を拡大する考えを明らかにした。

 高速炉関連のこれまでの協力についてロスアトム社は、ロシアの専門家が共同設計した電気出力2.5万kWのナトリウム冷却・プール型高速実験炉(CEFR)が、北京の原子能科学研究院(CIAE)で2011年に送電開始した事実に言及した。同じ年にはまた、ロシアのTENEX社が1992年の中ロ協定に基づき中国陝西省の漢中で建設した遠心分離法ウラン濃縮プラントで、4つ目の濃縮モジュールが日程を前倒しして操業開始したと指摘。海上浮揚式原子力発電所の開発についても、2014年7月にCNNC傘下の新能源有限公司とロスアトム社傘下のルスアトム・オーバーシーズ社が、建設協力に関する了解覚書を締結したと強調している。