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福島第一1号機建屋カバー壁パネルの取り外し完了、処理水取扱いに関する総合的検討も開始

2016年11月11日

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建屋カバー壁パネル取り外し後の原子炉建屋©東京電力

 福島第一原子力発電所1号機で、使用済み燃料プールからの燃料取り出しに向けて進められている原子炉建屋カバー壁パネルの取り外し(全18枚)が11月10日、完了した。同日朝、最後の18枚目の取り外し作業が行われたが、1枚目の取り外しを開始した9月13日以降、全作業期間を通じ、放射性物質濃度を監視しているダストモニターや、敷地境界に設置しているモニタリングポストに有意な変動はみられなかった。
 同機の使用済み燃料取り出しに向けては、2015年7~10月に建屋屋根カバー(全6枚)の取り外しが行われた後、2016年8~9月に側面からの飛散防止剤散布を実施し、9月13日より壁パネルの取り外しを開始した。2015年6月に改定された廃止措置中長期ロードマップによると、1号機については、建屋カバー解体後、オペレーティングフロア上部のがれき撤去、燃料取り扱いのためのカバー・機器類設置で、それぞれおよそ2年間、燃料取り出しは2020年度末頃の開始を目指すとしている。また、壁パネルの取り外し作業と並行して、がれき撤去の方法検討のため、崩落屋根下のがれき状況調査が進められているところだ。がれき状況調査は、カメラやダストサンプリング装置を原子炉建屋上部からクレーンで吊り下げ、堆積状況の撮影、空気中の放射性物質濃度の測定を通じ必要なデータ収集などを行っている。
 一方、汚染水対策に関して、タンクに貯蔵されている多核種除去設備処理水の取り扱いを検討する資源エネルギー庁の有識者委員会が11月11日、初会合を行った。汚染水から放射性物質の濃度を低減するため、最終的に多核種除去設備で処理した水にはトリチウムの残存が考えられ、こうしたトリチウム水の処分方法について、技術的評価を行った報告書が6月に取りまとめられた。これを受け、11日に始動した委員会では、同報告書による知見を踏まえつつ、技術的観点に加え、風評対策など、社会的観点も合わせて、今後の取扱いについて総合的に検討する。東京電力の発表資料によると、多核種除去設備処理水は10月時点で、約69万立方mに上っており、大量貯蔵が長期化することに伴うリスクや廃炉作業への支障も懸念されている。6月に取りまとめられた報告書では、トリチウム水の処理方法として、「地層注入」、「海洋放出」、「水蒸気放出」、「水素放出」、「地下埋設」の5つの方法について技術的評価を述べている。