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豪州のサウスオーストラリア州政府:核燃料サイクル委員会勧告への対応 表明

2016年11月22日

 オーストラリア(豪州)南部に位置するサウスオーストラリア(SA)州では今年5月、州政府の特命委員会が核燃料サイクルの関連活動を州内で促進した場合の様々な実行可能性について12の勧告事項を州議会に提示していたが、同州のJ.ウェザリル首相は11月15日、これに対する州政府としての正式な見解を表明した。ウラン資源の探査活動拡大や新型原子炉設計の開発動向を注視していくこと、などの勧告は支持するとした一方、諸外国の使用済燃料の処分施設建設という勧告に対しては、今後に機会を残して一層議論を続けるとの方針を示している。

 同首相によると12項目の勧告中、9項目については州政府として支持する考えを表明。特に州全域での新しいウラン資源探査と採鉱拡大に関する5項目はすべて支持するとした。これに加えて、州政府の健康医療研究所(SAHMRI)における核医学の利用促進勧告には従いたいとしており、その実行可能性について連邦政府と継続的に協働していくため、豪州の首相と最近、協議したことを明らかにした。また、小型炉のように原子力に経済的価値を生む可能性のある新型炉設計については、開発関係の情報収集や商業化の検討という点で連邦政府との協働を強化すると述べた。さらに、低炭素エネルギー・システムの構築で貢献可能な技術をすべて活用する包括的な国家エネルギー政策の策定に向けて、協力を促進すべきとの勧告についても支持するとしている。

 一方、今後数10年間に低炭素電源の1つとして原子力が必要になる可能性を見据え、連邦政府レベルで原子力発電の禁止規定廃止を求めていくべきだとする勧告に対しては、州政府として「支持しない」判断を下した。SA州において原子力発電は、短中期的にコスト効果の高い低炭素電源にならないとの認識を提示している。また、放射性廃棄物処分施設の建設勧告についても、現行の政策や法令を変更する考えはないと言明。ただし、将来的に実行に移す機会のために継続的に議論を行うとしており、今後の可能性に含みを持たせた。

 州政府としては、このような施設の建設を進めるには、議会における超党派の連携と、州全体の住民投票を通じて社会的に幅広い同意を得ることが唯一の方策になると指摘。これらが無い状態では、州政府が諸外国の高レベル廃棄物処分施設についてさらに調査を進めたり、意味のある議論を行うことは難しいとしている。