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福島第一2号機、ロボット導入し年明けより原子炉格納容器内部調査実施へ

2016年11月25日

 東京電力は11月24日、福島第一原子力発電所2号機の原子炉格納容器内部調査を2017年1~2月に実施することとし、これに先立ち、自走式調査ロボット(=写真上)を導入するための配管貫通部穴あけ作業を12月にも始めるとする作業概要・スケジュールを公表した。事故により、原子炉圧力容器内の核燃料や構造物が溶融したことから、今後の燃料デブリ取り出しに向けて、原子炉格納容器内の状況を把握するもの。
crawler 穴あけ装置は、自走、固定、穴あけの各要素試験、および組み合わせ試験により有効性を確認するなど、現場搬入の準備が整っており、実際の作業時には、原子炉格納容器内の気体が外部に出ないよう、装置を構成する隔離機構ユニットを通じ窒素を加圧、ダストモニターによる監視を行い、周辺環境に影響が及ばないよう万全を期すこととしている。穴あけ完了後、貫通部より、照明・カメラを装着した先端部が折り曲げ可能なガイドパイプを通して事前調査を行い、前方にスカート状のヘラを装着した除去装置を送り込み障害となる堆積物を取り除いた後、自走式調査ロボットを制御棒駆動機構交換用のレールを介して導入する計画だ。原子炉格納容器内部調査で活躍する自走式調査ロボットは、後方をサソリの尾のように反り上がらせ、LEDライトで周辺を照らすことでより広範囲を撮影し、走行中に倒れても自力で起き上がり可能なのが特長で、東芝、国際廃炉研究開発機構が開発を進めてきた。2号機の炉内状況については、高エネルギー加速器研究機構他の技術協力による宇宙線を利用した「ミュオン透過法測定」で、燃料デブリの大部分が圧力容器底部に存在していると推定されている。
 2015年6月に改定された福島第一廃止措置の中長期ロードマップでは、「2年後を目処に」号機ごとの燃料デブリ取り出し方針を決定するとしている。OLYMPUS DIGITAL CAMERA
 24日、福島のJヴィレッジで行われた月例記者会見で、東京電力の技術担当者は、ロボットがレールから落下することを懸念する質問も受けたが、人が立ち入れないところで「何が見えても成果といえる」などと、今回の調査が大きな前進となることに期待を寄せた。会見では、この他、汚染水対策の関連で陸側遮水壁の凍結確認(=写真下、©東京電力)、22日早朝の福島県沖を震源とする地震発生時の作業員退避、各種装置の点検・復旧、現場パトロールなど、対応状況などが報告された。