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「高速炉開発の方針」案がまとまる、今後10年程度の「戦略ロードマップ」策定へ

2016年12月19日

 政府の高速炉開発会議は12月19日、(1)国内資産の活用、(2)世界最先端の知見の獲得、(3)コスト効率性の追求、(4)責任体制の確立――を4原則とする「高速炉開発の方針」案をまとめた。10月より経済産業相、文部科学相他、産官共同で議論が行われてきたもの。
 それによると、まず、わが国の方針として、「高速炉開発の推進を含めた核燃料サイクルの推進を基本方針としている」ことを明記した上、福島第一原子力発電所事故の教訓、国際協力活用の可能性など、昨今の状況を踏まえ、「世界最高レベルの技術基盤の維持・発展を図りつつ、高い安全性と経済性を同時達成する高速炉を開発し、将来的な実用化を図り、もって国際標準化に向けたリーダーシップを最大限に発揮する」ことを目標に掲げている。今後10年程度の開発作業の具体化に向け、「戦略ロードマップ」の2018年目途の策定を目指し、2017年初頭にも同会議のもとに実務レベルのワーキンググループを始動させる。
 また、原型炉「もんじゅ」については、再開に要する期間や費用、今後の不確実性などに鑑み、「再開によらない新たな方策によって獲得を図る」とされた。高速炉開発会議のこれまでの議論の中で、現在、原子力規制委員会による保安措置命令により運転再開に進めない状況にある「もんじゅ」は、今後、安全審査をクリアする必要があるが、運転開始までに8年を要し8年間運転するとして最低5,400億円を要するとのコスト試算が文科省より示されている。
 高速炉開発は、「実験炉」、「原型炉」、「実証炉」、「商用炉」の4段階の開発段階を経て、数十年の将来を見据えながら進める長期プロジェクトとなるが、実証炉開発に向けて必要となる代表的技術課題として、今回の方針案では、(1)炉心燃料関連技術、(2)ナトリウム取扱・主要機器関連技術、(3)余熱除去・安全対策技術、(4)プラントシステム技術・保守管理技術――をあげており、いずれについても、実験炉「常陽」の活用や国際協力などにより、「もんじゅ」を再開した場合と同様の知見を獲得できるとしている。
 「高速炉開発の方針」は、原子力関係閣僚会議で近く決定される運びだが、今回の方針案を受けて、同日、「もんじゅ」を立地する福井県の意見を聴く協議会が、文科省庁舎で、西川一誠知事、世耕弘成経産相、松野博一文科相により行われた。「もんじゅ」については、9月の原子力関係閣僚会議で「廃炉を含め抜本的な見直しを行う」とされている。