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南ア:原子力発電所新設計画の入札に備え情報提供依頼書 発出

2016年12月27日

 南アフリカ電力公社(ESKOM)は12月20日、原子力発電所新設計画の入札実施に先立ち、関連情報の提供を市場に求める文書を発出したと発表した。この情報提供依頼書(RFI)は、近年の原子力開発プロジェクトにおける経験やコストに関する情報、財政問題の解決方法、南アに対する国産化機会の提供に関する提案などを求めるという趣旨で、新設計画を担当するESKOM社、あるいは南ア政府に対する財政的誓約や義務を負わせるものではないと強調。2017年4月末までに得られた情報に基づき調達条件などの提案を決定し、提案依頼書(RFP)の策定に役立てると見られている。エネルギー省のT.ジョマット=ピーターソン大臣は9月初旬、現行の統合資源計画(IRP)に従って960万kWの原子力発電設備を2030年までに建設する計画について、「RFPを月末に公表する」と発表したものの、9月末にはこれを延期する方針を明らかにしていた。

 南アにおける長期的な電力供給計画である現行のIRPは2010年に決定されたもので、それ以降、同国のエネルギー部門は状況が様々に変化。このため、政府は現在IRPの改定作業を進めており、2016年版IRPの案文は改定された統合エネルギー計画(IEP)案文とともに12月9日から公開協議にかけられている。IRPにおける原子力発電所新設計画の担当機関も、11月2日の閣議決定に従い南ア原子力公社(NECSA)からESKOM社に変更され、ESKOM社が新しい原子力発電設備の調達を担当するとともに所有者兼運転者になることが決定。これに基づいてESKOM社は今回、RFIを発出した。一方、NECSAは核燃料サイクルのフロント・エンド施設と多目的研究炉の所有者兼運転者となるとしている。

 また、最新の想定を用いたIRPモデルで基本ケースの開発シナリオを改定した結果、原子力設備の容量は2050年までに2,038.5万kW分を新たに追加することになったが、新設初号機(135.9万kW)の運転開始は現行計画から大幅に先送りされ、2037年頃になる計算。その後、同出力の原子炉を1~3基ずつ徐々に追加していき、2050年までの追加基数は合計15基になるとした。これらの背景についてエネ省は、現行のIRPで想定した経済成長が実現せず、これを下方修正したことや電力需要予測にも影響した点を説明した。960万kW分の新設計画のペースを緩めた場合、電力供給や経済にどのような影響が及ぶかについては感度分析を実施しており、原子力の代替オプションを使って最小コストのエネルギー・システムを最大限活用するモデルも使用。建設リードタイムの長さを考慮してベンダーの選定手続や準備は継続して進めるが、新規原子炉の導入時期やペースは改定可能であることが判明したとしている。ただし、この基本ケース・シナリオはIRP改定プロセスにおける議論の出発点という位置づけであり、2016年版IRPで最終決定するかは未定。公開協議で様々な分野の関係者や産業界、組織が提出する意見によって変更もあり得るとしている。