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仏アレバ社:財政再建計画で政府による資本増強の詳細事項 設定

2017年1月13日

 原子炉部門の売却など大規模な財政再建計画を進めているフランスのアレバ社は1月11日、同社および同社の核燃料サイクル部門を統合して設立した新会社(NewCo)に対する仏政府の公的資金投入プランを欧州委員会(EC)が承認したのを受け、その詳細事項を同日の取締役会で設定した。一株あたり4.5ユーロ(約590円)の同社株発行を通じて、政府から同社に20億ユーロ(約2,400億円)、NewCoには25億ユーロ(約3,050億円)を注入するという内容。これらの事項は2月に同社が開催する株主総会、およびNewCoが開催する臨時株主総会でそれぞれ、承認を得たいとしている。

 2014年の年間決算で48億ユーロ(約5,850億円)という損失を計上したアレバ社は、再建計画の一環として、原子炉・機器と燃料の設計製造、関連サービスに関するアレバNP社の活動と資産をフランス電力(EDF)に売却することを決定。EDFは新たに設置される「ニューNP社」の株式を少なくとも51%を購入する一方、アレバ社は15~25%保有の少数株主として留まることになった。アレバ社に残った事業部門のうち、アレバNC(燃料サイクル)社やアレバ鉱山社、およびプロジェクト管理会社などは、子会社として創設したNewCoに統合。NewCoとアレバ社の両方で合計50億ユーロ(約6,100億円)の資本増強を行うことも計画しており、このうち45億ユーロ(約5,500億円)については仏政府が出資参加を約束していた。

 ECは1月10日にこの出資参加プランを承認した際、前提条件として(1)フラマンビル3号機の原子炉容器の炭素偏析問題について仏原子力安全規制当局(ASN)が安全上問題なしとの結論を出すこと、(2)EDFとニューNP社の合併をECが承認すること--を提示。これら2つの条件が満たされ次第、資本増強を実行できるよう、アレバ社の取締役会は2月3日の株主総会で承認を求める考えだ。アレバ社によると、一株4.5ユーロという株式発行価格はすでに、公認会計士の専門企業から妥当との評価を受けており、仏政府は同日、この価格による株式の公開買付提案を仏金融庁(AMF)に申請すると発表した。また、NewCoが同じ日に並行して開催する臨時株主総会では、合計30億ユーロ(約3,660億円)の資本増強額のうち、最大25億ユーロまで仏政府から調達するほか、5億ユーロ(約610億円)を戦略的投資家から調達することで承認を得る方針。NewCo株の売買に関するこれらの投資家との交渉は、最終合意に向けて進展中だとしている。

 なお、NewCoは11日、同社の米国子会社としてアレバ・ニュークリア・マテリアルズ(ANM)社を創設したと発表した。本社をワシントンDCに置くとともに、S.シャキール氏をCEOに指名。米国の廃止措置市場や燃料供給市場で以下の5事業を展開していくとした。すなわち、
(1)「アレバD&D」:ワシントンDCを本拠地とし、バーモント・ヤンキー原子力発電所の廃止措置計画を含め、米国市場に原子力施設の廃止措置と解体に関する専門的知見を提供する。
(2)「TNアメリカ」: メリーランド州を本拠地とし、使用済燃料と放射性廃棄物の貯蔵・輸送・フィールド・サービスなどを提供する。
(3)「アレバ連邦サービス(AFS)」:ノースカロライナ州を本拠地に、米連邦政府に対して核燃料サイクル技術や環境管理サービスを提供する。
(4)「ウランの採鉱・転換・濃縮(MCE)販売」:バージニア州を本拠地とし、米国の電力事業者に長期的な核燃料供給を行う。
(5)「アレバMed」:テキサス州を本拠地として、医療用放射性同位元素の開発を実施する。