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米規制委:SMR建設が計画されているクリンチリバー・サイトの事前サイト許可審査開始

2017年1月18日

 米原子力規制委員会(NRC)は1月12日、小型モジュール炉(SMR)の建設が計画されているテネシー州オークリッジ近郊のクリンチリバー・サイトについて、2016年5月に受け取った事前サイト許可(ESP)の申請書を2016年12月30日付けで受理したことを明らかにした。テネシー峡谷開発公社(TVA)がBWXテクノロジーズ(BWXT)社製SMR「mPower」の初号機建設を念頭に申請したもので、NRCは今後、広さ5平方kmの同サイトが「mPower」をはじめとする次世代型原子炉の建設と運転に適しているか、技術的な審査を行うことになる。正式受理に時間がかかった理由としてNRCは、断層関係の詳細な議論など、TVAからフォローアップ情報の提供を受ける必要があったと説明した。また、関連する公聴会の開催案内を告知するため、NRCによる申請受理は12日付けの連邦官報に掲載された。

 ESP申請の主な目的は、電気事業者が原子炉新設計画への資金投入を決断する前に、サイト特有の安全性や環境影響、緊急時計画に関する要件の遵守状況についてNRCから事前承認を得ること。20年間有効であり、ESP取得後に建設・運転一括認可(COL)を申請した場合は、サイト関係の審査時間を短縮することができる。「mPower」は出力19.5万kWの地下建設式・一体型PWR設計で、受動的安全系を備えた次世代設計になる予定。米エネルギー省(DOE)が民間とのコスト折半で開始した「SMR商業化支援プログラム」では、ニュースケール社のSMRとともに対象設計の1つに選定された。同プログラムでは、連邦予算から合計4億5,000万ドルを拠出して、対象設計のエンジニアリング、許認可、および商業化を支援。2020年代初頭までに初号機の完成を目指している。BWXT社は2010年、同設計の開発子会社として「ジェネレーションmPower(GmP)社」をベクテル社と設立。顧客となるTVAを開発協力チームに加え、クリンチリバー・サイトで最大4基の「mPower」を建設する許可申請の準備作業を始めていた。

 米国では1月12日にニュースケール社が、米国におけるSMR設計としては初の設計認証(DC)審査を原子力規制委員会(NRC)に申請した。受理されれば約3年間のDC審査が始まる予定で、その他の許認可取得が順調に進めば2026年にもDOEのアイダホ国立研究所(INL)敷地内で初号機が営業運転を開始する。「mPower」のDC申請も当初は2015年第1四半期までに予定されていたが、取締役会が一時期、予算削減を決めたため申請の準備ペースが鈍化。2016年3月になるとベクテル社とBWXT社は、申請スケジュールには言及しないものの開発の促進方針を改めて公表している。このほかには、ウェスチングハウス社とホルテック・インターナショナル社がそれぞれのSMR設計でDC申請を計画中である。