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英国の上院委員会、SMR開発を含む原子力R&Dの優先項目で調査開始

2017年1月27日

 英国議会の上院科学技術委員会は1月26日、原子力技術の研究開発における優先項目の調査を開始すると発表した。同委は2011年に英国の原子力研究開発能力に関する調査を実施しており、その際の報告書勧告に沿って政府の取った対応が適切であったか検証するとともに、小型モジュール炉(SMR)開発についても、一般市民や組織から幅広く意見を募集する。英国政府はSMRの開発と商業化、および資金調達に関する市場の関心を把握するため、2016年にSMRコンペを実施しており、英国にとって最適なSMR設計や開発ロードマップについて、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)が今後、明らかにする見通し。同委はBEISの決定事項については特に、注目していく考えだ。

 2011年の調査では、安全かつ確実な原子力エネルギー供給を2050年まで保証していく上で、国内の研究開発能力が十分であるかについて意見を募集した。調査報告書の結論と勧告に従って、政府は2014年に原子力技術革新調査・諮問委員会(NIRAB)を設置したほか、その支援組織となる原子力技術革新・調査局(NIRO)を国立原子力研究所(NNL)内に開設。NIRABは暫定的な組織として英国の原子力産業の発展に関する公的機関の活動を監視し、意見を述べる審判員の役割を果たすことになった。今回の調査では、その後の政府アクションにより原子力の研究開発能力が改善されたか、また、英国が原子力関連の将来的な必要事項を満たす上で、さらにやるべきことは何かを模索するのが主な目的。NIRABが十分に機能しているか、またNNLの役割と付託事項が適切であるかについても調べるとしている。

 意見の募集項目は以下のとおりで、提出に際しては可能な限り実例も示すよう科学技術委員会は要請。受付期限は2月24日とした。
・民生用の原子力活動で英国が首尾一貫した着実な長期政策を取る際、責任の所在はどこにすべきか?
・英国その他で幅広くSMR開発を行う際の、潜在的メリットとデメリット、およびリスクは?。
・政府はSMRの研究開発に十分な予算を充当しているか? また、他組織にもそうする意欲を持たせているか?
・NNLは付託された事項を適切に遂行しているか? また、英国の将来的な原子力政策を支援する上で必要な研究を実行し得るか?
・他国における同等の組織と比較してNNLはどうか?
・NIRABはその役割を十分に果たしているか? また、NIRABを後継する常設の組織が必要か?