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英政府が「Brexit」白書を議会に提出、欧州原子力共同体からの離脱も明記

2017年2月7日

 欧州連合(EU)からの離脱交渉開始に向けて英国政府は2月2日、EUと英国の双方に利益がもたらされるような、建設的かつ前向きなパートナーシップの構築を目指したプランを「Brexit」に関する白書として議会に提出した。メイ首相が1月17日に公表したEU離脱交渉における12の原則項目を反映しつつ、現在の状況と今後の展望をまとめた内容。EU域内の民生用原子力発電と放射性廃棄物管理の法的枠組を規定した欧州原子力共同体(ユーラトム)からも離脱すると明記した。原子力産業が英国の主要戦略として重要であることに変わり無いとの認識を強調した上で、離脱した場合でも民生用原子力協力や保障措置、安全確保、核物質の取引等における欧州その他の国際パートナーとの緊密かつ効果的な取り決め維持という明確な姿勢にも影響はないと断言した。原子力関係の研究開発についても、協力取り決めの代替案を模索することで国際協力を継続していくとの方針を示している。

 EU離脱担当省のD.ディビス大臣によると、同白書では英国を真にグローバルな自立した国にするというメイ首相のビジョンを確認しており、EUとの関係も意欲的なものとすることが目標。首相が示した12項目の中でも、英国とEU加盟国間で最も自由、かつ摩擦の少ない貿易を保証することに主眼を置いており、包括的な自由貿易協定や新たな税関協定を結ぶことで、新しい戦略的連携関係を構築することは双方の利益に適うことだと強調した。

 ユーラトムとの今後の関係については、白書の全12項目中、第8項目で「離脱手続を定めたリスボン条約第50条を行使するにあたって、EUから離脱するのと同様にユーラトムからも離脱する」と明記。理由として、欧州委員会や閣僚理事会などのEU機関と同じ制度をユーラトムが使っている点に触れ、英国の法制の中でユーラトムがEUに含まれることは2008年のEU改正法が明確に示していると説明した。その上で、首相も述べているように英国は科学・研究の関連分野でEU加盟国と協力することを望んでおり、原子力はその主要部分になると指摘。英国とユーラトムの厳密な関係性や、原子力事項の協力手段は今後の交渉次第であるとした。また、英国では原子力産業が戦略的に重要であること、ユーラトムからの離脱が民生用原子力分野の諸外国との取り決め維持に影響しないことを強調。英国は原子力研究開発で世界のリーダー的立場にあることから、このような重要分野での意欲が削がれることはないし、国際協力の重要性も十分認識しているとした。