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スペイン規制当局:ガローニャ原子力発電所の再稼働を条件付きで承認

2017年2月10日

©CSN

 スペイン原子力安全委員会(CSN)は2月8日、ニュクレノール社が2013年に正式閉鎖したサンタマリア・デ・ガローニャ原子力発電所(BWR,46.6万kW)の再稼働と合計60年間運転することを条件付きで承認した(=写真)。定期安全審査報告書など様々な文書を詳細に分析した上で委員5名のうち4名が賛成票を投じたものだが、最終的にエネルギー観光省から再稼働承認を得るには、福島第一原子力発電所事故後の対策を含めた改修など、発電所の安全確保と放射線防護で10項目の条件を満たすことが必要。このうち8項目は国内すべての原子力発電所で適用可能な一般要件であることから、原子炉の新設が禁止されている同国で、他の既存炉7基についても最大60年まで運転期間の延長に道を拓くテスト・ケースになるとの見方もある。

 スペインでは、2013年初頭から原子力発電事業者に新たな税が課せられることになったため、ニュクレノール社はガローニャ発電所で2013年7月以降の運転認可を申請せず、2012年末に運転を停止した。その後、燃料をすべて取り出すとともに使用済燃料もプールに移送するなど、同発電所は2013年7月で正式閉鎖となったが、2014年2月に内閣は「安全性や放射線防護以外の理由で閉鎖した発電所に限り運転終了後1年以内であれば認可の更新申請を可能にする」との王国令を承認。ニュクレノール社は2014年5月、同発電所を2031年まで合計60年運転するための認可更新を申請していた。

 再稼働条件のうち8項目は、原子力・放射線規制に基づく年間報告書の提出や、放射性廃棄物のサイト外への移送、次回の定期安全審査の準備報告といった一般的な内容。一方、同発電所個別の条件としてはまず、燃料の再装荷前に安全確保と放射線防護に関する必要手続を補足的技術指示書(ITC)に沿って完了し、CSNから肯定的評価を得る必要がある。具体的には、静的水素再結合装置(PAR)やフィルター付きベントシステムの設置に関する対策の実行や緊急時管理支援センター(CAGE)の建設、大量の汚染水管理に関する妥当性確認試験の実施、冷却水喪失時に一定量の水を近隣のエブロ川から取水・貯蔵する戦略の提案など、となっている。
 もう1項目は、臨界条件を達成する前に、発電所の安全運転を保証する手続をITCに沿って終えるというもの。ニュクレノール社は、経年劣化の評価管理に関する包括的計画について、改善提案が行われた部分が盛り込まれるよう見直すとともに、金属疲労などの劣化に関する時間依存解析を運転期間の延長分について再評価しなければならない。また、発電所の正確な動的応答を確認する試験プログラムを作成し、臨界達成予定日の少なくとも9か月前にCSNに提示すること、運転員の技術的能力の再構築プログラムについて実施状況をCSNに報告すること--などが含まれている。