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韓国:行政裁判所が月城1号機の運転期間延長許可を取り消す裁定

2017年2月10日

 韓国ソウルの行政裁判院は2月7日、原子力安全委員会が2015年2月に議決した月城原子力発電所1号機の運転期間延長許可について、「法的に適切な審議・議決が行われなかった」として取り消す裁定を下した。この裁判は、同発電所の半径80km圏内、250km圏内およびそれ以上の区域などに居住する住民グループが安全委を相手取って起こしていたもの。安全委はこの判断について、「判決文を精査した上で最終的な対応を決めるが、現時点で運転継続許可に問題はなかったと考えているので控訴する予定だ」との見解を公表している。

 月城発電所は韓国南東部の慶州市に立地しており、1号機(約70万kWのカナダ型加圧重水炉)は1982年11月に送電開始した。設計寿命である30年が2012年11月に満了するのに先だち、事業者の韓国水力・原子力会社(KHNP)は2009年末、運転期間を2022年まで10年延長する申請書を政府に提出。当時の担当省は2010年、同炉の安全性評価報告と申請書の審査を韓国原子力安全技術院(KINS)に依頼した。KINSの審査結果や安全専門部会などでの検討結果に基づき、安全委は2015年2月、委員9名のうち7名の賛成により同炉の運転期間延長許可を議決していた。

 判決文の中で行政裁判院は、原告団のうち発電所の半径80km圏内に居住する住民のみ、原告適格を認めた上で、安全委の許可を無効または取り消す理由として以下の点を挙げた。すなわち、(1)審査において定期安全評価報告書のみを使用した、(2)運転期間延長の安全評価上必要となる、過去の基準と現在の基準を比較する手順を実行していない、(3)許可を受けた事項の変更履歴をまとめた「比較表」をKHNP社が提出していない、(4)最新の運転経験や研究結果などを反映した最新の技術基準の適用を、法令通りに行わなかった、(5)委員としての資格を当時欠いていた安全委員が審議と議決に参加した--などである。