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英議会委員会:ヒンクリーポイントC計画の予備プラン策定を政府に提言

2017年2月27日

 英国議会上院の経済問題特別委員会は2月24日、「電力価格:電力市場の改革」と題する報告書を公表し、政府が電力部門に継続的に介入することで電力市場が不透明で複雑かつ競争性の低いものとなり、低価格な電力の供給や供給保証が損なわれているとの見解を表明した。温暖化対策などの政府政策によって、現在の電力市場は冬季に特に予備容量が減少しているほか、一般世帯や産業向けの電気代が上昇していると指摘。固定価格(行使価格)による差金決済取引(CfD)を発電電力の売買に導入したヒンクリーポイントC(HPC)原子力発電所(165万kWの欧州加圧水型炉×2基)の建設計画については、送電開始が遅れた場合や想定どおりの電力を発電できない場合に備えて、バックアップ計画を策定すべきだと政府に訴えている。

 超党派の議員で構成される同特別委員会は、政府が電力市場に対して実施している一連の政策について、影響を検証した上で、次のような結論をまとめた。すなわち、2000年代半ばに英国の電気料金は欧州でも2番目という安さだったが、現在は7番目。2013年の平均的電気料金の中で、政府の低炭素化政策に要する費用は10%を占めていた。産業用の電力価格は欧州の中で最も高く、政府はいくつかのエネルギー多消費産業に対して補償策を取ったものの、それでも低炭素化政策にかかった費用は電気料金の13%を占めている。再生可能エネルギー源は一定期間、固定価格による売買契約を保証されたため大きく成長したが、これにより民間投資家は従来型の発電所建設を渋るようになり、英国は発電設備不足に陥る可能性がある。容量マージンの減少を受けて、政府は電力部門で再び競争原理を働かせる試みとして容量市場を導入したが、依然として新たな発電所の建設に四苦八苦している。

 電力市場におけるこのような不具合を是正するには、以下の対策を政府が取るべきだと特別委員会は勧告した。
(1)エネルギー政策においては、供給保証こそ常に第一に、最も配慮すべきことであり、値頃感や低炭素化などの配慮はその後である。
(2)低炭素化の実施に際しては、電気料金を最小とするための保証が必要。政府はCO2排出量の削減を柔軟に行うべきである。
(3)政府による市場介入の度合いを軽減する。そのための最良の方法は、発電技術毎に公平、および単一の競争オークションで設備容量を確保することであり、顧客はこれにより、低炭素な電力を最低価格で購入できる。
(4)「エネルギー委員会」を設置して、エネルギー政策を決定する際に一層の精査を実施する。同委は担当大臣直属の独立した諮問機関として、すべての政策目標に対し最良の方向性を助言する。
(5)「国家エネルギー研究センター」を創設し、安価でクリーンなエネルギーの生産方法を研究し、商業規模に応用する。
このほか特別委員会は、HPC計画については大きな懸念が生じているとし、推進するのであれば政府は次の行動を実行すべきだとした。すなわち、(a)2025年に同発電所が国内需要の7%を賄う予定であることを前提に、完成が遅れた場合に代わりの容量をどのように手当てするつもりか説明する、(b)現時点の懸念に対する釈明として、この建設プロジェクトが納税者にとってどれほど購入価値があるか、一層明確な意見表明を行う--である。