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原子力委「基本的考え方」で常葉大学・山本氏よりヒア、エネルギーコストの影響など

2017年3月14日

 常葉大学経営学部教授の山本隆三氏は、3月10日の原子力委員会臨時会議に招かれ、エネルギーコストが国民生活や産業に与える影響や、原子力発電に関する国民意見について分析データを示しながら、同委が検討を進めている「原子力利用に関する基本的考え方」に関し意見を述べた。同氏は、故澤昭裕氏を引き継ぎ、国際環境経済研究所所長として、エネルギー問題や地球温暖化対策に関する情報発信に取り組んでいる。
 主要国の1人当たりGDPや日本の業種別賃金などの基礎データに続き、山本氏は、「2人以上世帯月平均支出額の推移」(総務省)をグラフで示し、家庭における消費額全体に占める電気料金やレジャーにかける費用の増減傾向などから、東日本大震災以降の節電意識の高まりを示唆した。また、工業統計から、特に製造業では、出荷額に占めるエネルギーコストの割合が高い品目(窯業・土石など)ほど、成長率が低いことを示し、震災後、電気料金上昇の要因となった原子力発電所の停止を振り返り、現状の打破には「再稼働がポイント」などと指摘した。
 さらに、世界における日本の輸出シェア、欧米の雇用・エネルギー情勢など、国際的視点からの分析に通じた山本氏は、チャド、ニジェール、ナイジェリア、カメルーンにまたがるチャド湖の湖面が1963~2007年にかけ、大幅に縮小したことを図示し、GDP・就業者に占める農業比率が高いアフリカ諸国の貧困対策とともに、地球温暖化対策が急務であることを強調した。
 国民意見について、山本氏は、浜岡原子力発電所周辺4市で実施したアンケート結果を紹介し、エネルギー・環境問題に関する理解度との関連性で、例えば、日本の温暖化対策目標値を「知っていた」と回答した人の方が、「知らなかった」と回答した人より、「原子力発電は温暖化対策に必要と思う」割合が高いことなどを示した(=下表)。