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EDF理事会、フェッセンハイム原子力発電所の永久閉鎖条件 承認

2017年4月10日

 国内の商業炉全58基を所有・運転するフランス電力(EDF)は4月6日、エネルギー移行法の履行にともなうフェッセンハイム原子力発電所(90万kWのPWR×2基)の永久閉鎖条件を同日の理事会で承認した。技術的な問題以外による早期閉鎖ということで、政府から支払われる補償金の条件協約を今年1月の理事会で承認した際に、原則合意していた内容。すなわち(1)同発電所の運転認可を無効化する承認は、建設中のフラマンビル原子力発電所3号機(FL3)(163万kWの第3世代PWR)が起動した日にのみ、効力を発揮すること、および(2)同発電所の閉鎖は、原子力設備容量を現状レベルの6,320万kWに制限したエネルギー移行法を遵守する上での必要事項であること--としており、閉鎖に際してはこれらが確実に満たされていることが絶対条件になる。理事会はまた今回の決定事項に基づき、FL3の運転開始に先だつ6か月以内に、フェッセンハイム発電所の運転認可無効化省令の公布を政府に要請することをEDFの会長兼CEOに指示。政府からの補償金についても欧州委員会(EC)が国家補助規則との適合性を認めたことから、同省令の公布要請日までに会長が関連議定書に署名することを認めている。

 フランスでは8か月間にわたった全国的な討論の結果、「緑の成長に向けたエネルギー移行法」が2015年8月に成立した。この法律では、F.オランド大統領が2012年の大統領選挙戦で公約に掲げていた「原子力発電シェアを現在の75%から2025年までに50%まで削減」のほか、「原子力設備を現状レベルに制限すること」などが正式に決定。大統領は国内で最も古いフェッセンハイム発電所を2016年までに閉鎖することも公約していたが、同法ではFL3の完成に合わせて閉鎖するプラントの特定は、事業者であるEDFが判断すると明記されていた。

 今回の理事会決定についてEDFのJ.B.レビィ会長兼CEOは、「エネルギー移行法を適用するとともに、EDFの社会的利益に配慮した措置」だと説明。これによりEDFはエネルギー移行を本格的に実行する誓約を果たしつつ、電力供給という義務の履行に必要な原子力発電所を保有することができるとした。また、同発電所従業員と運転関連サービスの提供企業に対しては、今後あらゆる面について配慮することを約束している。FL3は2007年に着工したものの、2015年に原子炉容器の鋼材組成に異常が発見され、追加試験等の実施により完成は2018年12月にずれ込む見通しである。また、当初の建設許可が4月に失効するのにともない、環境・エネルギー・海洋省は3月に同許可を2020年4月まで延長する省令を発出。一部のアナリストは、FL3の運転開始がこの時期まで延期される可能性を指摘している。