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【第50回原産年次大会】セッション3:「海外の動向と日本への期待」

2017年4月12日

 原産年次大会の2日目は、12日の午前中にセッション3「海外の動向と日本への期待」が開催された。福島第一事故後に日本の原子力開発が停滞する一方、世界では拡大するエネルギー需要を満たすため、原子力発電所の新設に関心を持つ国もある。このセッションでは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の国松麻季主任研究員をモデレーターに、世界における原子力開発の動向や新設計画の現状と見通しを披露してもらい、日本が学ぶべき示唆や、果たすべき役割への期待などを明らかにした。

 世界原子力協会(WNA)のA.リーシング事務局長(=右写真)は、地球温暖化の防止で原子力が果たす重要な役割と、世界の原子力産業界が調和目標を達成する上で日本が果たす役割についての見解を披露した。

 世界では10億人の生活が未だに電化されておらず、これまでに複数の経済ショックが発生したにも拘わらず電力需要は劇的に増加している。地域別ではアジアの電力生産量が飛び抜けて上昇中だが、地球温暖化を防止する上で今世紀末までの平均気温の上昇を2度C未満に抑えるという国際エネルギー機関(IEA)のシナリオは今や、将来を予測する上で一般的な評価基準。これを達成するため、電力消費量の増加と温暖化防止を調和させる発電ミックスが検討された。

 そこで重要となるのが原子力発電の拡大であり、その他の低炭素電源による発電シェアを広げつつ、原子力で電力供給の25%を賄う必要がある。計算では2050年までに10億kWの原子力設備を新たに建設しなければならないが、原子力は低廉な価格で信頼性の高いクリーン電力を供給可能であり、低炭素化ソリューションの重要部分を担うだけでなく、迅速かつ永続的な脱炭素化を可能にする。世界では現在、60基の原子炉が建設中であり、過去25年間で最高レベルの建設ラッシュとなった。このうち22基が中国によるもので、2015年に同国では8基が稼働開始するとともに6基が着工。2016年でも5基が稼働を始めるとともに2基の新規建設が始まった。IEAも「世界エネルギー展望」の中で、世界の原子力発電容量は2040年までに2.5倍近くに増加し、同じ年に発電ミックスの大部分を占める低炭素エネルギー源のなかでも原子力は18%に到達すると予測。コスト競争力のある低炭素発電オプションになるとの見通しを示している。原子力がよく受ける誤解の中に事故の危険性があるが、実際はその逆で、死亡者をともなう事故の発生率は原子力が最も低い。また、原子力の拡大を訴える際には安全性を強調しすぎるのではなく、雇用や経済面での利点やメリットをもっと訴えていくべきだ。

 世界では今後、原子力のさらなる開発を阻んでいる障壁に産業界が取り組み、重要な対策を取っていく上で3つの要素がカギとなる。1つ目は市場においてすべての低炭素発電技術間で「公平な条件」が設定されること。ここでは原子力限定の税を廃止したり、炭素排出クレジットを通じて補助金が与えられるようにする、あるいは原子力への資本投資を後押しすることなどが挙げられる。2つ目は世界中で「調和の取れた規制プロセス」を実現すること。原子炉機器の標準化を進めるとともに、許認可プロセスを合理化し、世界の基準や規格を調和させることで新しい技術の開発と効率的な許認可を可能にすることだ。3つ目は「効果的な安全パラダイム」へのシフトであり、具体的には原子力に代わる選択肢が健康に対していかに悪影響を及ぼすか認識させたり、政界と産業界のリーダーシップを強化すること、公共の福祉を増進する事故対応手段を導入することなどが考えられる。

 2050年までに新たに10億kWという原子力設備の追加を実現するには、2020年までに5,000万kW分増設した後、2025年までの5年間に1億2,500万kW、その後2050年までの25年間にさらに8億2,500万kWを段階的に建設していく必要がある。日本に対しては、新しい安全基準やシステムに従って原子炉の再稼働を進めるとともに、原子力と再生可能エネルギーおよびエネルギーの効率化に優先度を置いた発電ミックスを設定すること、原子力施設の周辺地域との対話を引き続き推進することなどを求めたい。これらを通じてコストの高い化石燃料の輸入を減らし、大気汚染を改善すれば、世界全体のCO2排出量削減の取り組みに貢献できる。さらに希望を述べるなら、再稼働のスピードをもう少しアップしてもらいたいと考えている。

 インド原子力発電公社(NPCIL)のS.シャルマ総裁(=左写真)は、インドの原子力発電開発に関する現状と近い将来の計画について紹介した。

 インドでは人口増加にともなう電力需要の増加に対応するため発電量も拡大しており、世界第7位だった発電量が15年間で第3位に浮上した。エネルギー資源としてはトリウムが豊富な一方、原子力で必要なウランはわずか。このためエネルギー供給保証の観点から、原子力発電開発では燃料サイクルを確立し、2050年以降にエネルギー自給を実現することを目標に掲げている。2017年2月現在の原子力設備は678万kWであるが、インドの原子力開発計画全体を中央政府が率いている。原子力委員会の下に原子力省や複数の供給機関、研究機関が設置された。開発計画は3段階で構成されており、加圧重水炉と軽水炉を中心とする第1段階においては、22基の熱中性子炉が運転中であるほか、8基が建設中。第2段階では高速増殖炉の開発を重点的に行うことになっており、4万kWtの実験炉(FBTR)が1985年から運転中、50万kWeの原型炉(PFBR)が建設中となっている。トリウム炉を中心とする第3段階に向けては30万kWeの改良型重水炉(AHWR)も間もなく建設開始となる見通しである。

 現行の原子力法では中央公共部門の2社のみが原子力発電所の建設を許可されており、NPCILは熱中性子炉の開発を担当。1969年に米国からタラプール原子力発電所の2基(各BWR)を米国から導入して以降、25年以上にわたって安全に原子力発電を行っている。1971年にはカナダの加圧重水炉(PHWR)をラジャスタン発電所として導入し、技術の国産化を推進。現在稼働中のPHWRは18基、446万kWに到達した。このように1980年代までは22万kW級の原子炉技術の実証と国産化を推進。1990年代から2000年代にかけては22万kW級原子炉の標準化を行った。それ以降は、規模の拡大と連続的な建設を実施しており、PHWRでは50万kW級と70万kW級の発電所を建設したほか、100万kW級のロシア型PWRも2基、建設した。現段階で70万kW級のPHWRを4基建設中であるのに加え、さらに2基の建設計画に着手。後続の100万kW級ロシア型PWRも2基、建設着手段階に至っている。このほか、70万kW級の国産PHWRを10基、外国メーカー製の100万kW級軽水炉を5地点で26基建設する構想もプリ・プロジェクト活動が進展中となっている。

 今日までにインドでは原子炉に関する生産能力が確立されており、PHWRの様々な機器について重要な要件を満たせる総合的な能力開発に成功した。建設手法も進化しており、例としては包括的なパッケージ契約の発注や建設工事と試運転の並行実施などがある。主要設備の製造業者も育っており、すでにポンプやバルブ、タービン発電機のほか、変圧器と開閉装置、計測制御系、熱交換器などを製造することが出来る。また、土木建設工事やタービン発電機系統についてはエンジニアリングのコンサルティングも可能。原子炉容器や燃料交換機、蒸気発生器といった原子炉機器の製造業者、EPC契約事業者もインド原子力産業界の一部となっている。

 原子炉の運転実績も概して良好で、NPCILの原子炉ではこれまでに12回、1年以上の継続運転記録を達成した。運転期間の延長や安全性向上対策も実施しており、安全運転の実績は456炉・年に達している。現在、開発の第2段階に入ったところで、試運転中の高速増殖炉(50万kWe)では今年中にも臨界条件を達成する予定である。日本とは2016年11月に日印原子力協力協定が調印され、様々な分野で協力していくことが可能になった。具体的には、日本が主要な供給国となっている1次系と2次系機器の鍛造品、ウェスチングハウス社製AP1000やアレバ社製欧州加圧水型炉(EPR)用の大型鍛造品も日本から調達できる。日本企業がインド企業と連携してくれれば、原子炉建設の加速や製造能力の向上などでインドの原子力産業界に大きく貢献してもらえると期待している。

 チェコ産業貿易省のL.コヴァチョフスカ副大臣(=右写真)は、原子力開発に向けた政府の国家アクション計画とその実施状況について説明した。

 チェコでは現在、テメリンとドコバニの2サイトで合計6基のロシア型PWRが稼働しており、すべてチェコ電力(CEZ)社の所有。濃縮と燃料製造および再処理は行っておらず、燃料はすべてロシアのTVEL社から調達。高レベル放射性廃棄物は発電所サイトで中間貯蔵しており、2025年までに最終処分場建設サイトを特定し2065年までに操業開始を目指す。現在、これらの原子力発電所で年間総発電電力量の35%を賄うなど、重要電源という位置付け。これまで最大の一次エネルギー源だった褐炭の燃焼量を減らしており、2050年までに従来のエネルギーミックスは全面的に刷新する予定である。電力消費量は経済の電化が進むにつれて一層増加する見通しであり、新規電源を建設しなければチェコは欧州最大の電力輸出国の1つという地位を失い、輸入国に転落することになる。今のところ、燃料輸入の依存を大幅に減らしつつ、必要な規模で石炭火力を代替できる無炭素電源は多くない。

 政府の全体的なエネルギー政策における原子力の位置付けは以下の通り。すなわち、(1)エネルギーミックスにおける原子力の役割を強化、(2)既存の原子力発電所で合計250万kWを新規に建設する交渉や準備などの手続を促進・加速、(3)2035年以降、ドコバニ発電所が閉鎖される頃に新規原子炉の運転開始を目指す、(4)ドコバニ発電所の運転期間を50~60年まで延長する条件を整える、(5)放射性廃棄物の確実かつ長期的な処分場を設置・建設する条件を整える、(6)将来的な原子力発電所建設に適した地点を特定する--などだ。

 発電における戦略的目標では、原子力で少なくとも46%、最大で58%を賄うことになっており、2040年の原子力発電シェアは49%と予測した。「原子力発電に関する国家アクション計画」の中で政府は、新規原子炉の建設準備を直ちに始める必要性があると認識。ドコバニ発電所で増設炉の運転開始は2037年頃を目指しており、将来的な電力需要に応じて2~4基の建設を想定した。建設許可の取得を主要目的とした第1段階の準備プロセスと2025年頃に着工するという第2段階のプロセスに分けて進めることを推奨。第2段階に入る前に、本当に新規設備が必要か評価を行うことになる。実際の実施手順としては、原子力開発を扱う国際的な政府高官組織「原子力エネルギー常任委員会」を設置し、その下に3つの作業部会を置く。各部会はそれぞれ、(1)建設の資金調達や投資モデル、(2)法制問題、(3)建設の技術面--を扱う。原子力に関する政府特使も任命済みであり、産業貿易省の下に原子力開発の調整ユニットを新設した。

 テメリン計画の現状は、環境影響声明書(EIA)が2013年に完了。肯定的な声明書が発行されており、サイト許可の取得プロセスを満たすべき条件が整った。サイト許可は2014年10月に一旦、肯定的な裁定が下ったものの、テメリンⅡ期工事会社が新たな許可を申請する必要がある。また、子会社としてテメリンⅡ期工事会社が2016年10月に正式に設置された。ドコバニ計画については、EIA手続の第1フェーズが進展中で、第2フェーズは今年7月に開始予定。2018年/2019年にも肯定的な声明書を期待するなど、入札と安全性関連の文書が完成に近づいている。子会社としてドコバニⅡ期工事会社が2016年10月に正式に設置された。選定する可能性のあるメーカーは、ウェスチングハウス社製「AP1000」、ロスアトム社製ロシア型PWRの「MIR」か「TOI」(125万kW)、韓国電力公社と韓国水力・原子力会社の「APR1400」か「APR1000+」、仏アレバ社製欧州加圧水型炉「EPR1700」、アトメア社製「ATMEA1100」、中国広核集団有限公司の「華龍一号1000」となっている。

 メキシコのA.ウェルタ・エネルギー省原子力政策副局長(=左写真)は、新規原子炉の建設計画も含めた同国の原子力プログラムについて概要を以下のように説明した。

 メキシコでは国内の一次エネルギー需要が2000年以降、25%増加しており、電力についても過去20年間で需要量が倍増した。このため、政府は2013年に国内の石油、ガス、電力セクターの改革に着手しており、長期にわたった国営企業による独占状態に終止符を打ち、民間活力の導入を実施した。あらゆる面で自由競争がもたらせるようにしたもので、一層持続的で効率的な輸送、および生産的なエネルギー部門を実現し、メキシコの大規模な低炭素エネルギー源から利益を得ながら、その開発を推進するのが狙い。メキシコ電力庁(CFE)を再編・解体することで発電と送電および小売りの事業にも競争原理を導入したが、原子力だけは例外的に政府が開発を牽引することになっている。

 国内の再生可能エネルギー源が豊富であるため、政策的な後押しにより風力や地熱、太陽光が成長する可能性が増大した。パリでのCOP21に先だって2015年12月に公布されたエネルギー移行法(LIE)では、原子力をクリーン・エネルギーと定義。これに高効率コジェネレーションや二酸化炭素の回収・貯蔵(CCS)などを加えたクリーン・エネルギー発電の開発を加速することになった。LIEでは、発電に占めるクリーン・エネルギー源のシェアは現在の21%から2018年までに25%、2021年までに30%、2024年には35%に増加させると誓約しており、温室効果ガスの排出量も2030年までに22%の削減を目指している。2040年までにメキシコの電力需要は年平均2.4%増加する見通しであるため、設備容量は2015年の7,000万kWから1億6,000万kWに倍増させる計画。このうちガス火力が増加分の半分を占める一方、石油と石炭による火力発電所は削減する方針だ。原子力は既存のラグナ・ベルデ原子力発電所(70.4万kWのBWR×2基)に400万kWの新規設備を2030年までに増設する計画である。

 新規発電設備容量のインフラを定める年毎のエネルギー計画文書「国家電力システム開発プログラム(2015年~2029年)」では、総クリーン・エネルギー設備の12%を原子力にすると設定しており、これは3基分に相当する。一層長期の展望として国家電力クリーン・エネルギー庁が実施した2035年と2050年のクリーン・エネルギー目標を満たすための最適なエネルギー・ミックス調査でも、3基をこえる原子炉が含まれており、原子力が国家電力システムに必要であるとの結果になった。原子力政策では安全かつ確実、持続可能な開発の推進を目指しており、それには原子力規制インフラの強化や放射性廃棄物の管理に対する資金調達と事業体の設置、規制の法的枠組の更新、原子力プログラムとエネルギー・ミックスにおける原子力の役割の拡大などが必要と認識。ラグナ・ベルデ原子力発電所で稼働中の2基については、設備拡張型出力向上(EPU)プロジェクトを進めており、機器の交換やアップグレードを通じて2基の合計設備容量を最大で162万kWとする予定である。

 新規の原子力プロジェクトについては、運転経験や米原子力規制委員会(NRC)による設計認証に重点を置いて先進的な原子炉技術を評価しているところ。また、財政面や立地候補地の技術的な要件を分析中となっている。開発プログラムは3つの段階、および19の課題で構成されており、(1)プログラムの開始決定を下すまでの検討から(2)発電所の契約と建設の準備作業、(3)最終投資決定と契約と建設に続いて試運転を開始するまでに少なくとも10~15年を要する見通しである。採用設計としては、ABWR、APWR、AP1000、ATMEA1などを検討中。日本とは原子力協力協定の締結に向けて経済閣僚レベルでの覚書があることから、このような原子炉技術の導入についてや人材育成面で日本と協力していきたい。

 南アフリカ原子力公社(NECSA)のP.ツェラネCEO(=右写真)は、同国で進展中の原子力新設プログラムと、同国が目指す原子力技術の国産化などについて詳細を明らかにした。

 NECSAは1999年原子力法に基づいて設立され、既存のSAFARI-1研究炉を使って原子力と放射線科学技術分野における研究開発を促進・実施する機能を保有。放射能や放射線量の計測、非破壊検査、原子力関連施設の廃止措置と除染、放射性廃棄物の管理、保障措置、放射線防護といったサービスも提供している。

 南アにおける原子力ビジョンは2008年の原子力政策法(NEP)に基づいており、主な目的のいくつかは原子力発電所の新設計画。すなわち、国内に原子力システムを設計・製造・建設できる能力を備えた産業を根付かせ、社会経済的な変革や成長、開発のための国家プログラムに貢献することである。また、国民の生活水準を改善し、科学技術を進展させるほか、長期的に永続可能な原子力部門を開発して、原子力部門で自給自足を達成することを目指している。NEP2008のなかでNECSAは、政府が確保したウランの貯蔵や、政府に代わってウランの転換・濃縮能力および核燃料の製造能力を開発する役割を与えられた。また、南ア国内で原子力発電所を建設できるよう貢献して南ア経済を再活性化することになるが、原子力発電の拡大は南アを工業化する広範なプロセスの一部という位置づけだ。2010~2030年までの統合資源計画では新設する発電設備の23%(約1,000万kW)を原子力とする予定。エネルギー供給が限られているという課題に直面しているため、南アの原子力開発は以下の必要性に基づいて進められている。すなわち、安定した電力供給や経済に対する信頼性の高いエネルギー供給、経年化したエネルギー・インフラの刷新、クリーン・エネルギーによって2020年までにCO2排出量を34%、2025年までに42%削減することなどである。

 現在の提案では、960万kWの原子力発電設備とSAFARI-1をリプレースする研究炉(MPR)、および核燃料サイクル技術を開発するほか、国内の天然資源の活用を可能にする政策枠組みを作成する計画。パートナーから原子炉をただ購入するのではなく、このような建設の実行で必要となるスキルや能力の獲得、南アで原子力部門を開発する専門的なプログラムを設定・維持する能力を獲得したい。また、NECSAが原子力機器の設計・製造について保有するASME(米国機械学会)認証を活用し、政府が資金調達モデルを評価することも提案された。2030年までに960万kWの原子力設備を開発するには4,000億ランド(約3兆2,000億円)の資金が必要と見積もられており、現在、複数の資金調達モデルを分析中である。

 原子力発電所機器の国産化も進めているが、すべての分野で短期的に実施できるわけではないので、製造能力の開発と品質保証では段階的アプローチをとっている。具体的には、新設プログラム用の原子燃料、容器類、配管など特定の製品の国産化、外国メーカーとの合弁事業や連携など、継続的に製造することを通じて目的を果たす考えだ。国産化のレベルはメーカーおよび技術の選定によって変化すると想定しており、基準レベルは全体の15%の国産化(シナリオA)。フランスやロシアなどの想定供給国から提示されたレベルは45%(シナリオB)であり、それぞれについて南ア経済に対する投資額やプロジェクトへの投資額の試算も行っている。

 南アはこれまでに、原子力貿易・協力の基盤となる政府間協定(IGA)をロシア、フランス、中国、米国、韓国と締結した。IGAが新設プログラムでカバーする協力分野は、原子炉と多目的研究炉の技術と建設に加えて、資金調達、機器の製造・産業化・国産化、人材養成と能力開発、国民受容と情報センターの設置、原子力安全と損害賠償および許認可、核燃料サイクル、原子力立地と許可など。また、2016年11月には内閣が原子力新設計画について、NECSAと南アフリカ電力公社(ESKOM)が共同で進めていくと決定した。ESKOMは新設原子力発電所の所有者兼、事業者となる一方、NECSAは核燃料サイクルおよび多目的研究炉の運転を担当することになった。翌12月には、ESKOMとNECSAは合同で、新設プログラムの関連情報の提供を市場に求める文書(RFI)を発出した。4月末までに得られた情報をレビューした上で調達条件などの提案を改定し、早ければ6月にも提案依頼書(RFP)を発行する計画。これに基づいてメーカーの予備選定と交渉を実施し、2018年第1四半期末までにパートナーの選定を終えたい考えだ。