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原産協会高橋理事長会見 「世界の原子力発電開発の動向2017年版」も紹介

2017年4月21日

 高橋明男原産協会理事長は4月20日、メディア対象の定例ブリーフィングを行った。
 冒頭、原産協会がこのほど刊行した「世界の原子力発電開発の動向2017年版」について、担当者が説明した。同誌は、原産協会が31か国/約60の原子力事業者、原子力機関、関係当局から得たアンケート調査の回答に基づきとりまとめたもので、1967年より毎年刊行している。今回は2017年1月1日現在のデータを集計しており、世界の営業運転中の原子力発電所は439基/4億600万1,000kWに上り、前年実績から5基/713万5,000kW分増加して、前年に引き続き過去最高の合計出力記録を更新した。2016年に新たに営業運転を開始した原子炉は、中国が5基、米国、ロシア、韓国が各1基の合計8基。一方で米国、ロシア、日本で各1基の合計3基が閉鎖されたため、増加分は5基となった。
 また、高橋理事長からは、4月3日に発出したメッセージ「福島県における避難指示解除にあたって~住民の帰還に向けた環境整備の加速化に期待~」について、3月31日に飯舘村、浪江町、川俣町山木屋地区内で、4月1日には富岡町で、それぞれ避難指示解除準備区域および居住制限区域が解除されたことに関し、「生活環境の整備が進み、かつての地域の日常の暮らしが少しでも早く取り戻せることを期待したい」と述べた。また、原産協会としても、風評被害をはじめとする様々な課題があることを忘れず、引き続き地域の声を大切に地元に寄り添った活動に継続して取り組んでいくとともに、復旧・復興に向かっている福島の現状を国内外に広く発信していくことを強調した。
 さらに理事長は、4月10日に発出したメッセージ「原子炉を使った教育・研究の安定的な運用に向けて」について、「近畿大学原子炉で4月12日から運転再開後初となる学生を対象とした原子炉運転実習が再開されたことは大変喜ばしい」との所感を述べ、現在停止中の試験研究炉も早期に利用できるよう、関係機関は審査プロセスを振り返り、今後の効率的な審査対応に向けて備えることを求めた。また、試験研究炉は、原子力の専門知識を持った人材の育成や一般の方々の原子力に対する理解促進に不可欠だが、年々高まる原子力施設への安全面やセキュリティ面の要求に対処するためには多大な労力や費用が必要となることに触れ、「安定的な運営に向けて産学官が協力し、国を挙げてこのような課題に取り組みながら、実際の施策に移していくことが大切だ」と語った。そして原産協会も、試験研究炉を使った教育・研究が今後も安定的に実施できるような環境の整備に向け、引き続き試験研究炉の重要性について関係者を始め広く国民の理解を求めていくと意欲を示した。
 その後の質疑応答部分で高橋理事長は、4月19日に規制委員会で5基の廃止措置計画が認可されたことに関して、日本は大量廃炉の時代に入ったとし、国内に除染や解体の技術は十分あるので、各社で廃炉計画を調整しながら効率的に進めていくのが良いとの意見を述べた。
 なお、「世界の原子力発電開発の動向2017年版」に関するお問い合わせはこちら